人間関係が苦手な人に向いている仕事と仕事をする上で大切なこと

人間関係が苦手な人に向いている仕事と仕事をする上で大切なこと

人間関係が苦手な人にとって、仕事での人間関係もストレスになりがち。

「こんな自分でも働ける仕事なんてあるのかな?」と不安に感じている人や、実際に人間関係が原因で仕事を辞めてしまった人もいるかもしれません。

そこで今回は、人間関係が苦手な人に向いている仕事をまとめました。

また、人間関係が苦手な人が居心地よく仕事をしていく上で大切にすべきポイントもご紹介しますので、ぜひあわせてご覧ください。

人間関係が苦手な人に向いている仕事

人間関係が苦手な人にとって「コミュニケーション」は大きな壁となります。

人間関係が苦手な人は、

  • 他者に嫌われたくない
  • 他者から攻撃されたくない

といった気持ちを持っているため、自分の考えや気持ちを自由に話すことに抵抗があるからです。

そのため、職場での雑談や飲み会を苦痛に感じる人がたくさんいます。

ここでは、そんなコミュニケーションの課題を解決できる仕事をご紹介します。

なお、人間関係が苦手な人の特徴については、人間関係が苦手な人の特徴と克服方法【苦手なままでもOK】で詳しくまとめていますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

コミュニケーションの機会が少ない仕事

■工場や倉庫での仕事

工場や倉庫では自分に割り振られた作業に集中すれば良いため、他の人とのコミュニケーションは最小限に抑えられます。

単純作業を続けるのが得意な人におすすめです。

■清掃

ホテルやビルなどの清掃は、自分が担当する部屋や場所をキレイにします。

コミュニケーションの機会も少なく、仕事中は周囲から注目されることもないため、他者の目が気になる人でも安心して働けます。

■新聞配達やポスティング

担当する地域の住居を回り、郵便受けに新聞やチラシを届ける仕事です。

仕事中は1人なので、コミュニケーションを取る必要がありません。

また、自分のペースで働けるのも魅力です。

■宅配

荷物を指定された場所まで届ける仕事です。

宅配会社に勤務するだけでなく、Uber EatsやDiDi Foodなど、個人でも始められるシステムが増えているため、人間関係が苦手な人にはぴったりです。

誰とも会わずに完結する仕事

■在宅ワーク

自分で出来る在宅ワークなら、誰とも会わずに仕事ができます。

例えば、プログラマー・Webデザイナー・Webライターといった仕事は、クラウドソーシングサイトを使えば、簡単に仕事を受注できますし、納品物もサイト上で送れます。

また、顧客とはメッセージを使ってのやり取りになりますので、口頭での対話が苦手な人でも言葉を整理してコミュニケーションが取れます。

■ブロガー・アフィリエイター

ブロガーやアフィリエイターは、自分のブログに広告を設置し、ブログの読者がその広告をクリックしたり、商品を購入したりすると、広告主から成果報酬をもらえます。

人と全く関わらずに仕事ができるので、地道にコツコツ仕事を続けられる人におすすめです。

マニュアル対応が求めらえる仕事

■コールセンター

コールセンターは、顧客からの問い合わせやクレームに電話対応する仕事です。

人間関係が苦手な人には向いてないように思われますが、実際にはマニュアル通りに話せば良いため、「自分」を出したくない人にとっては安心できる仕事となっています。

■接客業

「人間関係が苦手なのに接客業は無理!」と思うかもしれませんが、多くの接客業は「お客様にどう対応するか」をきちんとマニュアル化しています。

そのため、「自分」ではなく「店員」を演じる気持ちで取り組めば、人間関係が苦手な人でも十分に楽しめる仕事となっています。

人間関係が苦手な人が仕事をする上で大切なこと

ハキハキと挨拶する

人間関係が苦手だからと言って、挨拶しないし、目も合わせない、声掛けにも返事をしないなど、職場の人との交流を避けていると、周りの人は「この人、怖い」と近寄りがたく感じます。

また、「挨拶もしない非常識な人」「声をかけても無視する嫌な奴」といった批判を受ける原因にもなります。

その結果、周りの人から浮いてしまい、職場に居づらくなり、次の仕事を探すことになってしまいます。

人間関係が苦手だからこそ、職場で居心地よく過ごせるよう、挨拶はハキハキと行いましょう。

  • 相手に笑顔を向ける
  • 自分から「おはようございます」「お疲れ様です」と声をかける
  • 相手に届く声で話す

この3つを押さえて、挨拶をしてみてください。

挨拶がちゃんとできていれば、「みんなと仲良くなろうとしている」という気持ちが伝わり、周りの人も協力的になってくれるはずです。

「報・連・相」を大切に

チームで仕事をする職場では、報告・連絡・相談は必要不可欠。

このどれか1つでも欠けていると、損害や迷惑を与えることになり、「無責任」というレッテルを貼られてしまいます。

「でも、上司に声をかけるのが怖い」という方は、メル・ロビンス(Mel Robbins)が提唱した「5秒ルール」をぜひ試してみましょう。

私たちは「行動しよう」と思ってから5秒経つと、その行動をしない理由をあれこれ考えてしまいます。

例えば、「上司に声をかけなきゃ」と思っても、5秒経てば「今、忙しそうだから」「先に〇〇をしてから言おう」など、やらない理由を次々に思いついてしまうのです。

だからこそ、「声をかけなきゃ」と思ってから5秒以内に、「少しお時間よろしいでしょうか」と声をかけてしまうのです。

「いきなり声をかえるとしどろもどろになってしまう」という方は、事前に話すべき内容をまとめたカンニングペーパーを用意しておくと良いでしょう。

また、話しかけづらい人への声掛け方法は、【解決】職場の人間関係に悩んだときに試してほしい3つのことでもまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。

自分を下げる言葉を使わない

「自分なんてダメ人間だから」「自分は〇〇できないから」と自分を下げる言葉を繰り返していませんか?

いつも自分を下げる言葉を繰り返していると、「どうせできないから」と何事にも挑戦できず、仕事でも成長できなくなってしまいます。

また、日本人にとって謙虚さは美徳ですが、あまりにも自己卑下が強いと、周りの人は「構ってほしいのかな」と面倒に感じたり、「いつまでウジウジ言っているんだろう」と不快になったりと、ネガティブな気持ちになってしまいます。

できるだけネガティブな言葉は控え、ポジティブな言葉を使うように心がけてみましょう。

全ての人に好かれようとしない

人間関係が苦手な人は、全ての人に好かれようとして、八方美人になってしまい、かえって嫌われてしまうことがあります。

実際のところ、全ての人に好かれることはありえません。

なぜなら、真面目な人を「融通が利かない」と思う人もいれば、優しい人を「リーダーシップがない」と感じる人もいるように、ある人が長所だと思うところを、別の人は短所だと感じることがあるからです。

全ての人に好かれようとせず、あなたの良さを理解してくれる人を大切にしましょう。

まとめ

この記事では、人間関係が苦手な人に向いている仕事と仕事をする上で大切なポイントについてご紹介しました。

人間関係が苦手な人は、

  1. コミュニケーションの機会が少ない仕事
  2. 誰とも会わずに完結する仕事
  3. マニュアル対応が求められる仕事

の3パターンから仕事を選ぶのがおすすめ。また、仕事をする際には、

  • ハキハキと挨拶する
  • 「報・連・相」を欠かさない
  • 自分を下げる言葉を使わない
  • 全ての人に好かれようとしない

という4点に注意することで、仕事での人間関係がさらに楽になるでしょう。

人間関係が苦手な人の特徴と克服方法【苦手なままでもOK】

人間関係が苦手な人の特徴と克服方法【苦手なままでもOK】

「人間関係がうまくいかない」

「人と一緒にいると緊張する」

「大勢の中にいると、どっと疲れる」

など、人間関係が苦手だと感じる人は少なくありません。

実は人間関係が苦手な人にはいくつかの特徴があります。

この記事では人間関係が苦手な人の特徴と、その苦手を克服する方法をまとめました。

また、人間関係の苦手さは「内向性」という性格の一部でもあります。

その性格を生かして、自分らしく生きていく方法も紹介していますので、ぜひご覧ください。

人間関係が苦手な人の特徴

プライベートでは1人になりたい

人間関係が苦手な人の多くは、他者に嫌われたくない気持ちが強く、「楽しんでいるかな」「何を考えているんだろう」など、常に他者のことが気にかかり、気疲れしてしまいます。

そのため、プライベートでは「1人でのんびり過ごしたい」と考える傾向があります。

「1人って寂しくないの?」と思われがちですが、買い物や映画、食事や旅行など、幅広い活動を1人で楽しむことができ、寂しさや孤独感は全く感じません。

ごく稀に親しい友人とは遊びますが、楽しさと共に疲れもやっぱり感じてしまうため、頻繁には会いません。

万が一、プライベートの時間で偶然知り合いを見つけた場合には大慌て。

できるだけ見つからないよう、さりげなくその場を離れます。

ビジネスライクな関わりはできる

人間関係が苦手ない人も、人と関わる場面全てが苦手という訳ではありません。

ビジネスライクな関係であれば気負うことなく話せるという人も多いのです。

「人間関係は苦手だけど接客は得意」という人は実はたくさんいます。

例えば、後藤ら(2003)*1の研究では、大学生に得意とする対人場面を尋ねたところ、「アルバイトでの接客」が多く報告されたことが明らかになっています。

人間関係が苦手な人は、「自分を出すと、他者に攻撃されるのではないか」という点を恐れています。

そのため、「自分」を出さずに「店員」としてふるまう客であれば、安心してお客様と関わることができるのです。

なお、人間関係が苦手な人に向いている仕事と仕事をする上で大切なことでは、人間関係が苦手な人でも安心して取り組めることをまとめていますので、ぜひ読んでみてください。

全く知らない人とは比較的話せる

人間関係が苦手な人は、全く知らない人とは気軽に話せることがあります。

例えば、人間関係が苦手でも、道を聞かれたときにはスムーズに答えたり、旅行先で知り合った人と仲良く話したりできる人もいます。

これは、その相手が「その場限り」の関係だから。

必ず別れが来る相手だからこそ、「嫌われたらどうしよう」「攻撃されはしないか」などを心配せず、自分をのびのびと出せるのです。

先ほどご紹介した後藤らの研究でも、大学生の得意とする対人場面として、一時的もしくは短期的な関係の「初対面の人」を挙げた人が多数いました。

人間関係の苦手を克服する方法

最低限のコミュニケーションを重視

人間関係が苦手な人は、「他者を傷つけないか」「不快にしないか」を十分に検討しないとコミュニケーションを取れません。

その結果、話しかけられても「どう答えよう…」と迷っている間に「無視した」と思われたり、すぐに伝えなければならないことがあっても「どのタイミングなら迷惑じゃないだろうか」と迷った挙句、相手に伝えるのが遅くなってしまい、「責任感のない人だ」と思われたり、さらに立場が苦しいものになってしまいます。

柔軟なコミュニケーションが苦手だからこそ、最低限必要なコミュニケーションだけは、応答のパターンを用意しましょう。

■あいさつ・お礼・謝罪は絶対に言う

「何を話せばいいんだろう」と困る人は、まずは「おはようございます」「お先に失礼します」などのあいさつだけは、相手の目を見ながら、ハキハキと声を出して言うようにしましょう。

また、お礼や謝罪は「あなたを尊敬している」という姿勢を見せる大切な言葉。

この2つもタイミングを逃さず言えば、それだけで良い印象を与えます。

■報告・連絡・相談も確実に届ける

報告・連絡・相談、いわゆる「ほうれんそう」も最低限押さえておきたいコミュニケーションの1つです。

これが出来ないとチームで協力することができません。

「でも、声をかけるタイミングが分からない」と悩む方は、【解決】職場の人間関係に悩んだときに試してほしい3つのことをぜひご覧ください。自分もOK、相手もOKなコミュニケーション「アサーティブ」について解説しています。

話を聴く力を高める

「自分の弱い部分を見られたくない」という思いから、人間関係を苦手だと感じている人は、他者に「話す」ことに強い抵抗感を抱きます。

そのため、コミュニケーションを取るのが嫌になってしまうことも。

しかし、コミュニケーションは話す人と聴く人の両方がいて初めて成り立ちます。

話すのが苦手なら、聴く人として参加できるよう、聴く力を高めてみましょう。

聴く力は以下のポイントを意識することで高められます。

■ペーシング

相手と話す速度・声の大きさ・表情などを合わせると、話しやすさを感じてもらえます。

■視線のコントロール

視線を合わせると「あなたの話をしっかり受け止めるよ」というメッセージを伝えられます。

しかし、見られ続けると相手も緊張してしまうので、視線は適度に外すのも忘れずに。

■あいづち

うなずくことで、興味を持って聴いていることを伝えます。

■オウム返し

相手の言葉を繰り返すことで、理解しようとする姿勢を見せます。

そもそも人間関係の苦手は克服しなきゃいけないの?

人間関係が苦手だからこその強みもある

そもそも人間関係が苦手なのは、「内向性」と呼ばれる性格特性の1つ。

性格を分類する方法として「タイプ論」を提唱したユング(Jung,C.G.)は、「心のエネルギーをどこに向けているか」によって、性格を「外向性」と「内向性」の2つに分類しました。

ユングによると、外向性の高い人は「自分の外側に存在する他者や環境」にエネルギーを向ける傾向があるため、他者との人間関係にも積極的に取り組めます。

一方、内向性の高い人は、「自分の内側」にエネルギーを向ける反面、周りにエネルギーを注げず、人間関係が苦手になりがちです。

しかし、内的な感覚を大切にするため、芸術的なセンスや独創的なアイデアを生み出す傾向があるとされています。

ユングのタイプ論については、【理論】性格の類型論を心理学の専門家が分かりやすく解説で詳しくまとめていますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

無理に人間関係の苦手を克服するよりも、「内向性」が強みをよく理解した上で、自分を生かせる場所を探すのも1つの対処方法と言えるでしょう。

あなたを理解してくれる人を大切にしよう

「人間関係が苦手」と言ったときに「みんなと仲良くしなきゃ!」「もっとノリ良くいこうよ」「1人だと寂しいよ」など、あなたを無理やり変えようとする人と付き合うと、ますます人間関係への苦手意識が高まってしまいます。

あなたを理解した上で、「それでも大丈夫だよ」と寄り添ってくれる人を大切にしましょう。

安全に付き合える人がいると「人間関係は苦手だけど悪いものではない」と実感でき、新たな人間関係に踏み出す勇気がもらえます。

また、人間関係での困りごとをサポートしてもらうこともできるでしょう。

まとめ

この記事では、人間関係が苦手な人の特徴と克服方法について解説しました。

人間関係が苦手な人には、

  • プライベートでは1人になりたい
  • ビジネスライクな関わりはできる
  • 全く知らない人とは比較的話せる

といった特徴があります。

そして、そんな人間関係の苦手を克服する方法として

  • 最低限のコミュニケーションを重視する
  • 話を聴く力を高める

という2つの方法をご紹介しました。

しかし、必ずしも人間関係の苦手は克服しなければならない訳ではありません。

人間関係の苦手さは「内向性」という性格の一部であり、そこには魅力や強みもあります。

そんなあなたを理解してくれる人をぜひ大切にして、自分なりの人生を楽しんでみてください。

参考文献

*1 後藤学・大坊郁夫(2003)大学生はどんな対人場面を苦手とし、得意とするのか?-コ
ミュニケーション場面に関する自由記述と社会的スキルとの関連- 対人社会心理学研究 3
 pp57-63.

人間関係の悩みの原因と解決方法を心理学の専門家が解説【良い・悪い】

人間関係の悩みの原因と解決方法を心理学の専門家が解説【良い・悪い】

「みんなで仲良くしましょう」「仲間外れはいけません」など、小さい頃から人間関係の大切さは繰り返し語られます。

しかし、どれだけ仲良くしたい気持ちがあっても「なぜかうまくいかない」と悩んでいる人は少なくありません。

それは、人間関係で悩む原因を正しく理解していないから。

そこで、この記事では、人間関係で悩んでしまう主な原因と、その悩みに対するおすすめの解決方法を解説します。

また、人間関係の悩みを解決できないどころか、悪化させてしまう危険性もあるNGな解決方法もご紹介しますので、あわせてご覧ください。

人間関係の悩みの原因

他者の目が気になるから

かつて「KY(空気が読めない)」という表現が流行したように、日本では他者から「空気が読めていない」「足並みが揃っていない」と思われないことが重視されています。

そのため、人間関係において他者の目が気になる人は多いのではないでしょうか。

しかし、あまりにも他者の目を気にし過ぎていると、いつも「本当はこんなことしたくないのに」と不満を抱えてしまい、「人間関係がつらい…」と悩んでしまいます。

他者が思い通りに動いてくれないから

「私だって働いているんだから、夫も家事をしてくれればいいのに」

「パワハラ上司さえ会社を辞めてくれれば気持ち良く働けるのに」

「私だって妥協しているんだから、相手も譲るべき!」

など、他者に「もっと〇〇してほしい」と思うことは多いもの。

しかし、あくまで自分と他者は別の意思を持つ存在であり、思い通りには動いてくれません。

その区別が出来ていないと「なんで思い通りに動いてくれないの?」と悩んでしまうことになります。

無理に多くの人と関わろうとするから

ここ最近、Facebookの「友だち」やTwitterの「フォロワー」の数を気にする人や、いつもスケジュール帳が人との約束で埋まっていないと不安という人が増えています。

もちろん、多くの人とつながれば、

  • 暇な時に遊ぶ人を見つけやすい
  • 新しい価値観を得られる
  • 大勢で一体になって盛り上がると楽しい

などメリットもあります。しかし、その一方で、

  • 付き合いのために時間やお金がかかる
  • 1人1人と深い関係が築けない

などのデメリットもあるのです。

これらのデメリットに直面し続けると「こんなはずじゃなかったのに」と悩みを抱えることになります。

人間関係の悩みの良い解決方法

「私」を主語にやりたいことを考えてみる

いつも他者の目を気にしてしまう人は、「この服を着たらお母さんが怒る」「〇〇さんはこれが食べたいんだろうな」という風に、自分以外の他者を主語にして物事を考えがち。

まずは「私」を主語にして、やりたいことを考えてみましょう。

「私はこの服が着てみたい」

「私はカレーが食べたい」

「私は美術館に行ってみたい」

といった簡単なことからでOK。

そして、出来ることから実際にチャレンジしてみてください。

このような小さな欲求も自分できちんと満たしてあげられれば、「私もやりたいことをやれるんだ」という自信につながります。

また、チャレンジを繰り返すうちに「案外、周りの人って私のことを気にしていないんだな」という事実にも気づくはずです。

エンプティチェアで自分と他者の理解を深める

他者が思い通りに動いてくれないことに悩む人は、自分と他者の考えや気持ちが異なることをしっかり理解しましょう。

そのために試したいのが「エンプティチェア」と呼ばれる方法です。

エンプティチェアは、「自分の位置」と「相手の位置」を用意し、「相手の位置」から物事を見て、どんな考えや気持ちが浮かぶかを体験することで、自分と相手との良好な関係を築き直すための技法です。

■エンプティチェアの手順

  1. 椅子や座布団を2つ用意し、一方を「自分の位置」、もう一方を「相手の位置」と決めます。
  2. まずは「自分の位置」に座り、「相手の位置」に座っている相手を具体的にイメージします。そして、相手に対して、自分の考えや気持ちを言葉にして全て伝えます。伝え終わったら、「相手の位置」へと移動します。
  3. 「相手の位置」に座り、先ほど伝えられた考えや気持ちに対し、何を考え、感じるのかを味わいます。そして、浮かんできた考えや気持ちを話します。相手になりきり、座り方や口調などもしっかり再現することが大切です。
  4. 「自分の位置」に戻り、感じたことや考えたことを整理します。そして、伝えたいことがまとまれば、再度イメージした相手に向けて話します。

このプロセスを繰り返すことで、相手の考えや気持ちについての理解が深まり、これから「どういう態度で接すれば良いか」のヒントを見つけることができるでしょう。

本当に自分を認めてくれる人と付き合う

多くの人と関わる人は「自分を認めてほしい」という気持ちが強いと考えられます。

ただし、本当に「認められている」と感じるために必要なのは、人間関係の量ではなく「質」なのです。

河越ら(2015)*1が大学生に行った調査によると、教師や友人から注目され、認められた経験が「自分は社会の中で認められている」という自己肯定感を高めることが明らかになっています。

つまり、多くの人と付き合うよりも、本当にあなたと向き合い、認めてくれる人との関係を深める方が、あなたの「認めてほしい」という欲求を満たせるのです。

人間関係の悩みの悪い解決方法

相手を変えようとする

人間関係でトラブルが起こると「あいつが悪い」と、相手を責め、相手の問題点を指摘して変えようとしてしまいがち。

しかし、『馬を水辺に連れていけても水を飲ませることはできない』ということわざがあるように、あなたが相手を変えようとあれこれ働きかけたとしても、その人自身が「変わりたい」と思わない限り、変わろうとはしないのです。

相手が変わってくれないことに苦しむくらいなら、自分自身を変えることにエネルギーを注ぎましょう。

1人で抱え込んで我慢してしまう

「自分さえ我慢すれば」と抱え込むこともおすすめできません。

「悲しい」や「つらい」というネガティブな感情は、「心を守りましょう」「心を休めましょう」というサインです。

それなのに、自分の「悲しい」「つらい」という感情を抑え込み続けると、きちんと心を守ることも、必要な休みを取ることもできません。

その結果、心がボロボロになり、病気になってしまうこともあるのです。

人間関係の悩みは1人で抱え込まずに相談しましょう。人間関係の悩みを相談するメリットと相談先の選び方【良い・悪い】では、身近に相談できる人がいない場合でも活用できる相談先をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

今回は、人間関係の悩みの原因と解決方法について解説しました。

人間関係の悩みの主な原因としては、

  • 他者の目が気になるから
  • 他者が思い通りに動いてくれないから
  • 無理に多くの人と関わろうとするから

の3つが挙げられます。

そして、これらの悩みを解決するためには、

  • 「私」を主語にやりたいことを考えてみる
  • エンプティチェアで自分と他者の理解を深める
  • 本当に自分を認めてくれる人と付き合う

といった方法がおすすめ。

逆に他者を変えようとしたり、1人で抱え込んで我慢したりすると、状況が変わらないだけでなく、悪化することもあるので注意が必要です。

参考文献

*1 河越麻佑・岡田みゆき(2015)大学生の自己肯定感に及ぼす影響要因 日本家政学会誌 
66(5) pp222-233.

人間関係の悩みを相談するメリットと相談先の選び方【良い・悪い】

人間関係の悩みを相談するメリットと相談先の選び方【良い・悪い】

「友達と喧嘩してしまった」

「親が自分の気持ちを分かってくれない」

「上司からの叱責が怖い」

など、立場や年齢が変わっても、人間関係での悩みは尽きないもの。

そんな人間関係の悩みへの対処法としてよく言われるのが「相談」です。

しかし、「人に話すだけでは意味がない」「誰かに話すと問題がややこしくなりそう」と尻込みする人も少なくありません。

そこで、この記事では、人間関係の悩みを相談するメリットを解説すると共に、おすすめの相談先とおすすめできない相談先もあわせてご紹介します。

人間関係の悩みを相談するメリット

言葉にすることで考えが整理される

1つ悩みを抱えると、その悩みが次々と新しい悩みを生んでしまうことがあります。

例えば、もともとは「上司に叱られた」という事実に落ち込んで悩んでいたはずなのに、図1のように「上司に嫌われている」「上司は私が嫌い」「どうせ私はみんなに嫌われている」など、悩みがどんどん増え、複雑に絡まり合います。

その結果、自分が何に悩んでおり、何を解決したいのかさえ分からず、いつも漠然とした不安や苦痛を抱えた状態に陥ってしまうのです。

図1悩みが絡み合い漠然とした不安へと変容

しかし、誰かに相談するためには、その大きくなった悩みを図2のように、1つ1つ分割し、順番に言葉にしていかなければなりません。

図2他者に悩みを相談するイメージ図

相手に分かるように言葉にする中で、漠然とした不安は具体的になり、次第に「何に悩んでいたのか」「何を解決したいのか」がはっきりしてきます。

荒川(1999)*1は、糖尿病患者に対し、何でも自由に話せる雰囲気と「十分話ができた」「自分のことをわかってもらえた」と感じられる傾聴があれば、特別なアドバイスがなくても、患者自身で解決方法を見つけられることを示しています。

つまり、自分を理解してくれる他者に相談すれば、自然に解決できる可能性もあるのです。

自分には思いつかなかった新たな解決策が見つかる

私たちは、これまでの人生の中で、すでに問題解決パターンをいくつか身につけています。

例えば、「怒られたら、すぐに謝る」というのも1つのパターンです。

両親や先生から「言い訳せずに謝りなさい」と教わったかもしれませんし、とにかく謝れば相手が許してくれることが多かったのかもしれません。

しかし、世の中には、どれだけ謝っても許してくれない人もいます。

そんな人と関わらなければならない場面では、謝る以外の対処法のない人は困ってしまうでしょう。

そんな時に他の人に相談することで、「相手の気持ちが落ち着くまで待ってみたら?」「とにかく笑顔で挨拶してみたら?」など、自分にはなかった視点での解決策を教えてもらえることがあります。

1人ではないという安心感を抱ける

人間関係の悩みを抱えている人は、「周りの人は仲良くやっているのに、自分は人とうまく付き合えない」という孤独感を抱きます。

悩みを解決したい気持ちはあるものの、「失敗したら変な目で見られる」「ますます孤立するかも」と今の状況を変えることを恐れます。

そして、そのうち「どうせ自分には無理なんだ…」と解決することも諦めてしまいます。

その結果、下の図3のように、人間関係に消極的になり、さらに人間関係での悩みを深める悪循環に陥ってしまう可能性もあるのです。

図3人間関係の悩みを1人で抱えることによる悪循環

一方、人間関係での悩みを相談することで得られる良い循環を示したのが図4です。

人に悩みを聴いてもらうと「自分には味方がいる」という安心感を得られます。

そして、味方の存在は、悩みの解決に向けて「チャレンジしてみよう」という気持ちを後押ししてくれます。

その結果、悩みを解決できる可能性が高まるのです。

また、解決できなかったとしても「自分にも味方がいる」「悩みとちゃんと向き合えた」などの経験は、次に人間関係の悩みが生まれた時にも「きっと大丈夫」という自信を育んでくれるでしょう。

図4人間関係の悩み相談で生まれる好循環

人間関係の悩み相談におすすめの相談先

信頼できる家族・友人

最も手軽に相談できるのは、家族や友人です。

もし、家族や友人が「信頼できる」と思えるなら、ぜひ相談してみましょう。

ただし、「家族には心配をかけたくない」「友達には知られたくない」という悩みも少なくありません。

例えば、八田(2009)*2が大学生を対象に行った調査によると、恋人や親友の問題は親には話しにくいことが明らかになっています。

また、竹内(2010)*3は、家族の問題を表に出すことは恥ずかしいため、親友・友人に開示しにくいとしています。

そんなときには、次にご紹介する相談窓口の利用をぜひ検討してみてください。

企業や自治体が設置している相談窓口

人間関係の悩み相談には、企業や自治体の相談窓口も利用できます。

■企業の相談窓口

企業によって異なりますが、人事労務部が相談窓口となっていることが多いようです。

また、カウンセラーが常駐している企業もあります。

加えて、企業では「ハラスメント窓口」の設置が法律によって義務化されています。

義務化のスタートは企業によって異なり、

  • 大企業は2020年6月1日から義務化
  • 中小企業では2022年4月1日から義務化(それまでは努力義務)

となっています。

嫌がらせやハラスメントで苦痛を感じている場合には、ぜひ活用しましょう。

■自治体の相談窓口

「保健所」や「精神保健福祉センター」では、電話や面談を通じて、保健師・精神保健福祉士・臨床心理士などの専門家による相談を受けられます。

専門家によるカウンセリング

「身近に相談相手がいない」「家族や友達には心配かけたくない」という方は、専門家によるカウンセリングを利用してみましょう。

カウンセリングは、以下のような場所で受けられます。

■精神科や心療内科

カウンセラーが在籍しており、医師が必要と判断した場合には、カウンセリングを受けることができます。

■大学付属の相談室

臨床心理士養成の指定を受けている大学には付属の相談室が設置されています。

教員の指導のもと、大学院生によるカウンセリングを1回2,000~3,000円程度で受けられます。

■個人開業の相談室

臨床心理士や公認心理師などの専門家が開業している相談室です。

5,000円~10,000円と負担は大きいですが、経験を積んだカウンセラーによる質の高いカウンセリングが受けられます。

■オンラインカウンセリング

ビデオチャット・メール・SNSなどを活用して、インターネットを介したカウンセリングを行います。

手頃な価格と自宅で受けられるのが魅力です。

人間関係の悩み相談をすべきでない相談先

悩んでいる人間関係に近すぎる人

悩んでいる人間関係に近すぎる人への相談はおすすめできません。

例えば、Aさんとの関係についての悩みを、Aさんと共通の友人であるBさんに相談したとします。

Bさんにとっては、あなたもAさんも大切な友人ですから、どちらの味方にもなれず、板挟みになったように感じるでしょう。

また、あなたからAさんの嫌なところを聞くのも苦痛でしょうし、あなたが3人の関係を壊そうとしているように感じて不快感や抵抗感を抱く可能性もあります。

その結果、さらに人間関係がややこしくなる危険性があるのです。

冷静かつ穏やかに話を聴いてほしいと思うなら、ある程度、「第三者」である人に相談する方が良いでしょう。

ウワサ話が大好きな人

人間関係の悩みを相談するなら、ウワサ話が好きな人は絶対にNG。

どれだけ「秘密にしてね」と約束しても、「ここだけの話なんだけど」と言いふらされる可能性が高く、気づいたらみんなに知られていた…ということにもなりかねません。

人間関係の悩み相談は、相手の耳に届いてしまうと、「コソコソ悪口を言っている」「はっきり言えばいいのに!」など、相手が怒り出し、さらに状況を悪化させることも。

心が弱っていると、「大丈夫?」と声をかけてくれた人に全部話してしまいたくなりますが、ぐっと堪えて「本当にこの人は信頼できる人か」をよく考えてから相談するようにしてくださいね。

まとめ

この記事では、人間関係の悩みを相談するメリットとおすすめの相談先、絶対NGの相談先についてご紹介しました。

人間関係の悩みを相談するメリットには、

  • 言葉にすることで考えが整理される
  • 自分には思いつかなかった新たな解決策が見つかる
  • 1人ではないという安心感を抱ける

という3つがあります。

また、そんな人間関係の悩み相談におすすめの相談先としては、

  • 信頼できる家族や友人
  • 企業や自治体が設置している相談窓口
  • 専門家によるカウンセリング

などがあります。

ただし、悩んでいる人間関係に近すぎる人やウワサ話が大好きな人は、かえって人間関係の悩みを大きくしてしまう危険性があるため、相談相手としてはおすすめできません。

「第三者」かつ「秘密を守れる」という2つの条件を満たした相手を選びましょう。

また、人間関係の悩みの原因と解決方法を心理学の専門家が解説【良い・悪い】では、相談相手がすぐに見つからない場合でも、自分で出来る解決方法をご紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。

参考文献

*1 荒川千秋・神郡博(1999)看護相談場面のカウンセリング効果に関する研究 富山医科
薬科大学看護学会誌 2 pp133-142.
*2 八田純子(2009)大学生が抱える日常のトラブルと他者への開示について 愛知学院大
学心身科学部紀要 5 pp41-47.
*3 竹内由美(2010)大学生の友人関係における自己開示と孤独感の関係 心理相談センタ
ー年報 6 pp15-22.

人間関係の種類とそこでの立ち振る舞い方を心理学の専門家が解説

人間関係の種類とそこでの立ち振る舞い方を心理学の専門家が解説

人間関係にはいくつかの種類があります。

例えば、職場、友達、家族などが挙げられます。

そして、それぞれの人間関係では求められるものも異なります。

そこで今回は、心理学の専門家が人間関係の種類とそこでの振る舞い方を解説します。

また、心理学では人間の他者との関わり方について有名な実験がありますので、そちらについても解説しています。

人間関係の種類とそこでの立ち振る舞いに悩んだり、迷ったりしている方はぜひ記事をご覧ください。

人間関係の種類とそこでの立ち振る舞い方

職場

人間関係の1つとして職場があります。

職場では上司、同僚、お客様などとの人間関係が存在します。

現在、職場の人間関係で悩んでいる人も多いかもしれませんね。

職場の人間関係が厄介なのは、同じ仕事という目的を持った人間として付き合いが続くからです。

子どもが親を選べないように、基本的に転勤などが無ければ上司を選ぶことはできません。

また、同僚を選ぶこともできませんし、お客様を選ぶこともできません。

一旦こじれるととても厄介なのが、職場での人間関係です。

では、そのような職場でどう振る舞えば良いのでしょうか?

答えは、割り切ることです。

職場というのは、仕事という目的のためにさまざまなスキルを持つ人の集まりに過ぎません。

ですので、職場では仕事と割り切って人と接することが大切です。

当たり前ですが、仕事はしっかりやって結果を出すようにしましょう。

その上で、仕事の後の飲み会等には参加しなくても良いです。

ただし、日々の挨拶などは愛想良くきちんとしましょう。

仕事はきちんとこなし、礼儀正しくしていれば、あまり乗り気でない飲み会に行かなくても悪口や陰口を言われることは少ないでしょう。

仮に悪口や陰口を言われたとしても、職場はあくまで仕事をする場所に過ぎないという割り切りがあればそこまで気にならないはずです。

悪口や陰口を言う人はあなたのことだけではなく他の人のことも言っていますから、周りの人も内心あきれていることも多いです。

また、自分が悪口や陰口のターゲットにされるの怖くて合わせているだけの人も多いでしょう。

職場では悪口や陰口を言うような人にも自分から挨拶して、礼儀正しく振る舞い、距離を保つようにすることをおすすめします。

友達

人間関係の種類として友達があります。

友達にもいろいろな友達がいると思います。

知り合いに近い友達から親友と呼べるような友達までグラデーションがありますよね。

人間関係としては知り合ってから、少しずつ仲良くなっていけば良いと思います。

知り合って間もないのにあまりにも自分のことを赤裸々に語ると、相手に引かれる可能性があります。

また、友達関係も割り切ることが大切です。

最初はなかなか自分と合うかどうかも分かりません。

なので、少しずつ仲良くなれば良いです。

じっくりコトコト、スープがあったまるイメージです(笑)。

そして、話をするときは否定と断定はしない方が良いかもしれません。

誰でも自分の話を否定されたり、断定されると嫌な気持ちになってしまいます。

ただし、話をして合わないと思ったら距離を置いても良いです。

職場ではないので、合わないのに無理して付き合う必要はありません。

また、友達であっても裏切られることもあるでしょう。

かなり信頼していた親友に裏切られることもあるかもしれません。

そのときはとてもショックですが、長い人生ではあり得ることです。

そのときもそういう人間だったんだと割り切ることが大切です。

家族

家族も人間関係の種類として挙げられます。

家族が好きな人もいれば、嫌いな人もいるでしょう。

世の中には、子どもを虐待したり、子どもに害を及ぼすような親も存在します。

そのような親とは距離を取るしかないと思います。

つまり、親と離れて一人暮らしをすることをおすすめします。

家族だからと言って必ずしも仲良くする必要はないです。

心理学における有名な実験

心理学では人間関係の取り方、とりわけ愛着についての有名な実験があります。

愛着とは、*1“特定の対象に対する特別の情緒的結びつき”のことです。

例えば、赤ちゃんは他の人が目の前からいなくなっても平気ですが、母親がいなくなると泣き出したりします。

これは赤ちゃんが母親に特別の感情を抱いているからであり、このような特定の対象に対する特別の情緒的結びつきのことを愛着と呼びます。

そして、心理学にはこの愛着に関する有名な実験があります。

それは、ストレンジ・シュチエーション法と呼ばれる実験です。

簡単に説明すると、

  1. 母親と赤ちゃんが部屋にいる。
  2. 見知らぬ人が入室する。
  3. しばらくすると、母親が退出する。
  4. しばらくすると、母親が戻ってくる。

このときの母親との分離と再開の場面での赤ちゃんの態度により、赤ちゃんのタイプを次の4つに分類しました。

回避型(Aタイプ)

子どもは、母親との再会場面では母親を避けようとするなど無関心な態度を示す。

母親の日常的な態度は、子どもの働きかけに対して拒否的な態度を示す。

安定型(Bタイプ)

子どもは、母親との分離場面では多少泣いたり混乱を示したりするが、再会場面では母親に積極的な身体接触を求めて容易に静穏化する。

母親の日常的な態度は、子どもの状態に敏感であり、応答的な対応をする。

抵抗/アンビバレント型(Cタイプ)

子どもは、分離場面で非常に強い不安や混乱を示し、再会場面では母親を叩くなど怒りをぶつけます。

母親の日常的な態度は、子供の働きかけに対して一貫性を欠いた対応を取ります。

無秩序・無方向型(Dタイプ)

子どもは、母親に対して顔を背けながら近づきます。不自然でぎこちない態度を示します。

母親の日常的な態度は、精神的な不安定さがあり、突発的に表情や言動に変調をきたすことがありります。虐待など不適切な関わりが見られます。

なぜストレンジ・シュチエーション法の解説をしたかと言うと、赤ちゃんのときの母親との愛着タイプが大人になったときの人間関係の取り方に影響を及ぼすからです。

もちろん、必ずしも赤ちゃんのときの愛着タイプが大人になっても維持されるとは限りませんが、自分の人間関係取り方を知る上で参考にすることはできます。

自分にはどういう傾向があるかを把握しておくことが大切

先程のストレンジ・シュチエーション法とともに、自分にはどういう傾向があるのかを把握しておくことが大切です。

例えば、自分に回避的な傾向があり、職場の人間関係が煩わしく感じられるとします。

その場合、まず自分にはそういう傾向があると自覚することです。

その上で挨拶だけは自分からするように心がけるとか、あるいはなるべく人間関係が少ない仕事に転職する等を考えることができます。

人間関係の少ない仕事としては、プログラマーとかあるいは在宅ワークの仕事等が考えられます。

最近では、新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークが増えています。

人間関係が苦手な人は、テレワークの仕事を探すのも1つの方法です。

そして、職場であれテレワークであれ挨拶などはきちんとするけど、飲み会には参加しないなど割り切ることも大切です。

もし人間関係に悩んだり迷ったりしているなら、まずは自分にはどういう傾向があるかを把握することからはじめることが大切です。

まとめ

今回は人間関係の種類とそこでの立ち振る舞い方、心理学における有名な実験、自分にはどういう傾向があるのかを把握しておくことが大切というお話しをしました。

まずは自分の傾向を把握し、割り切るところは割り切ることが大切です。

引用文献

*1 中島義明(編)(1999)心理学辞典 有斐閣 pp3-4.
参考文献

大石幸二(編)(2019)第1回公認心理師国家試験要点解説と必修用語 文光堂 pp42.

人間関係がうまくいかないときは成長するチャンス【行動せよ】

人間関係がうまくいかないときは成長するチャンス【行動せよ】

「これまでは順調だった人間関係が、いつの間にかうまくいかなくなった」という事態は、意外と多くの人が体験しています。

この時期に「うまくいかないなぁ」と感じながら、何の対処もせず放っておくと、人間関係がうまくいかない→人間関係に苦手意識を持つ→さらに人間関係がうまくいかなくなる…という悪循環に陥ることもあります。

一方で、人間関係がうまくいかないときに自分としっかり向き合えば、成長するチャンスにもできるのです。

そこで、今回の記事では、

  • 人間関係がうまくいかないときに考えられる原因
  • その状況を乗り越える方法や成長する方法

を分かりやすく解説します。

人間関係がうまくいかないときに考えられる原因は?

自分の心や身体の調子を崩している

これまでうまくいっていた人間関係につまずき始めたら、まずは自分の心や身体の調子をチェックしてみましょう。

ここでは、厚生労働省のHPで紹介されているストレスのサインをご紹介します。

【こころのサイン】

□不安や緊張が高まって、イライラしたり怒りっぽくなる

□ちょっとしたことで驚いたり、急に泣き出したりする

□気分が落ち込んで、やる気がなくなる

□人づきあいが面倒になって避けるようになる

【体のサイン】

□肩こりや頭痛、腹痛、腰痛などの痛みが出てくる

□寝つきが悪くなったり、夜中や朝方に目が覚める

□食欲がなくなって食べられなくなったり、逆に食べすぎてしまう

□下痢したり、便秘しやすくなる

□めまいや耳鳴りがする

*1 厚生労働省「ストレスのサイン」こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~

これらの不調により自分が弱っていると、いつも以上に自分を守ろうとしてしまいます。

その結果、以前なら受け流せたような冗談にも「バカにされている!」と腹が立って言い返したり、「どうせ私は嫌われているんだ」と人から距離を取ったりと、人間関係がうまくいかなくなってしまうのです。

周囲の環境が変わってしまった

人間関係は自分と周りの他者とで作り上げるものです。

そのため、周りの環境が変わってしまうと、これまで通りの人間関係ではうまくいかないことが起こり得ます。

引越しや転職など周りにいる人そのものが変わることで、人間関係がうまくいかなくなるケースは想像しやすいでしょう。

しかし、これまで親密な関係を築いてきた人でも、うまくいかなくなるときがあります。

例えば、いつも仲良しのAさんとBさんを考えてみましょう。

Aさんは結婚して子どもにも恵まれました。

すると当然、家事や子育てのため、これまでのようにBさんの誘いに応じることはできません。

Bさん以上に優先すべきものが増えてしまったからです。

一方、これまでと変わらないBさんは、遊ぶ回数が減ってしまって「もっと遊びたい」と寂しさや不満が募ります。

そんなBさんを見ると、Aさんは「そんなこと言ったって仕方ないでしょ」と不快な気持ちがわいてきます。

その結果、二人の関係も少しギクシャクしてしまうのです。

このように、一方の環境が変わってしまうと、人間関係もガラリと変わります。

そして、その変化に対応できないうちは、自分も相手も「うまくいかないなぁ」と感じることになります。

人間関係がうまくいかないときを乗り越える方法

意識的にリラックスする時間を持つ

人間関係がうまくいかないときには、自分の心と身体のバランスを整えることが最優先。

まずは意識的にリラックスする時間を持ちましょう。

特別なことをするよりも、毎日の食事・入浴・睡眠の質を高めるよう心掛けてみてください。

  • 食事:栄養バランスのとれた食事を三食。親しい人と楽しみながら食べるとなおよし。
  • 入浴:湯舟につかってのんびりと。アロマオイルや入浴剤を楽しむのもおすすめ。
  • 睡眠:十分な睡眠時間を確保する。身体に合ったマットレスや枕を探すとさらにリラックス効果がアップ。

また、余裕があれば、1日15分ほどの適度な運動を取り入れると、ストレス解消に効果的です。

ただし、「疲れて動きたくない…」という時に無理するのはNG!

心と身体の声にゆっくり耳を傾けながら、自分が「心地良い」「楽しい」「嬉しい」と思える活動を行うようにしましょう。

このほかにも、文部科学省のHP*2では、様々なリラックス法が紹介されていますので、ご興味がおありの方はぜひご覧ください。

自分の心が落ち着くまで距離を置くことも大切

人間関係がうまくいかないことが続くと、「次こそは失敗したくない!」「なんとかしなきゃ」と焦る気持ちがわいてきます。

しかし、焦っていると相手の気持ちに寄り添う余裕がなくなります。

そして、ひとりよがりの行動で、ますます関係を悪化させてしまうのです。

良好な人間関係を取り戻すには、「相手がどんな気持ちなのか」「相手が何を望んでいるのか」を、目の前にいる相手の言葉・しぐさ・表情などを観察し、読み取った上で、柔軟に対応していく冷静さが不可欠です。

そのため、自分の心が落ち着き、冷静さを取り戻すまでは、人との距離を置くのも大切なことなのです。

人間関係がうまくいかないときは成長するチャンス!

人間関係の在り方を変えられる

私たちが生きていく上で、人間関係は避けられません。

そして、人間関係に正解はなく、相手によって求められる関わり方は異なります。

そのため、「人間関係がうまくいかない」と感じたときは、自分のこれまでの人間関係を見つめ直すとともに、新しい人との関わり方を獲得するチャンスになります。

たくさんの関わり方を持っているほど、新しい人と出会った時に「この人は、こんな感じで関われば良さそう」と柔軟に対応できるようになるのです。

自分にとって心地良い環境を見つける機会にも

私たちは変わりたくなくても、変わらなければならないときがあります。

例えば、良好な関係を築けている職場で「ずっとこの心地良い職場にいたい」と願っても、仲が良かった上司や同僚が、異動や転職でいなくなることがあります。

また、あなた自身、時間が経てば都市を取っていきますし、いつしか部下や後輩ばかりに囲まれて、若い頃のように周りの社員と気軽に話すことはできないかもしれません。

すると、かつて「心地良い」と思っていた職場は、すっかり居心地の悪い場所になっていることも。

「人間関係がうまくいかない」と感じたら、「かつての自分」が感じていた心地良さにしがみつかず、「今の自分」にとっての心地良い環境を改めて探してみましょう。

まとめ

この記事では、人間関係がうまくいかないときに考えられる原因と乗り越える方法をご紹介しました。

人間関係がうまくいっていないときには、

  • 自分の心や身体の調子を崩している
  • 周囲の環境が変わってしまった

という2つの原因が考えられます。

また、そんな状況を乗り越える方法としては、

  • 意識的にリラックスする時間を持つ
  • 自分の心が落ち着くまで距離を置く

といった方法をご説明しました。

実は、人間関係がうまくいかないときは、人間関係の在り方を見つめ直したり、自分にとって心地良い環境を見つけたりと、自分自身を成長させるチャンスにもなりえます。

うまくいかないからとネガティブにならず、ぜひ前向きに今の状況を楽しんでみてください。

また、「いつも人間関係がうまくいかない」とお悩みの方は、【まとめ】人間関係がうまくいかない人の特徴と解決方法【良い・悪い】に、具体的な解決方法をまとめています。こちらもあわせてご覧ください。

引用文献

*1 厚生労働省「ストレスのサイン」こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルス
サイト~
参考文献

*2 文部科学省「第2章 心のケア各論」CLARINETへようこそ

【まとめ】人間関係がうまくいかない人の特徴と解決方法【良い・悪い】

【まとめ】人間関係がうまくいかない人の特徴と解決方法【良い・悪い】

「いつも人間関係がうまくいかない…」そんな風に悩んでいませんか?

もしかすると、人間関係がうまくいかない原因はあなた自身にあるかもしれません。

でも、自分の悪いところに自分で気づくのは難しいもの。

そこで今回は、人間関係がうまくいかない人の特徴をご紹介すると共に、ぜひ試してほしい解決方法を解説します。

また、「人間関係がうまくいかないときに、これだけは絶対避けるべき!」というNG行動もご紹介します。

この記事を読めば、明日からの人間関係を改善する具体的な方法が分かるはずです。

人間関係がうまくいかない人の特徴とは?

自己中心的な性格

あなたはこんな行動をしていませんか?

  • 自慢話ばかりする
  • 人との約束を守らない
  • 自分の主張ばかりする

このように自己中心的な行動を繰り返す人は、常に自分の欲求を満たすことが最優先。

他者のことも欲求を満たす道具のように利用してしまいます。

もちろん、道具扱いされた他者は不快になり、次第に離れていきます。

その結果、自己中心的な性格の人は孤立してしまうのです。

他者と自分を比べ過ぎる

他者と自分を比べる人は、「他者に劣等感を抱く人」と「他者より優位に立ちたい人」の2パターンに分かれます。

【他者に劣等感を抱く人】

  • 他者にどう見られるかがいつも不安
  • 人と比べて「自分はダメだ」と思う
  • 相手の顔色ばかりうかがってしまう

【他者より優位に立ちたい人】

  • 人より高価な洋服や持ち物を持っていたい
  • 人からうらやましがられたい
  • 勝ち組の人生を歩みたい

他者に劣等感を抱く人は、他者に対して萎縮し、心を開いた関わりができません。

逆に、他者より優位に立ちたがる人は、いつも他者を見下すため、距離を置かれてしまうのです。

コミュニケーションがうまくいかない

人間関係を構築する基本は「コミュニケーション」です。

そのコミュニケーションに問題がある場合、人間関係がうまくいかない原因となります。

例えば、

  • 挨拶されても、小声でゴニョゴニョ言うだけ
  • 話しかけられても、無視してしまう
  • 自分ばかり一方的に話して、相手に話すタイミングを与えない

といった状態だと、相手はあなたとのコミュニケーションを楽しめません。

そのため、関係を深める機会も失ってしまうのです。

また、人間関係がうまくいかないときは成長するチャンス【行動せよ】でも、人間関係がうまくいかないときの原因や解決方法を解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

人間関係がうまくいかない時の良い解決方法

挨拶・謝罪・感謝を忘れない

良好な人間関係を築くためには、挨拶・謝罪・感謝の3つを心掛けるようにしましょう。

この3つには次のような役割があります。

  • 挨拶:相手と仲良くしていきたい気持ちを表現します
  • 謝罪:相手の大切なものを傷つけてしまった申し訳なさを伝えます
  • 感謝:相手の大切なものを分けてくれたことへの喜びを伝えます

「あまり面白い話はできない」「上手に話せない」という人でも、この3つを意識すれば、相手を大切に思う気持ちを示し、信頼関係を構築することが可能です。

できたこと・良かったことを記録に残す

他者と自分を比べてしまう人に足りないのは、「自信」です。

自分の判断を信じられないからこそ、他者からの評価ばかり信じてしまうのです。

私たちは、できたことや良かったことよりも、「できなかったこと」「悪かったこと」を記憶しやすい傾向があります。

これらの記憶があれば、次に同じことが起きた時に対処しやすくなるためです。

しかし、「できなかったこと」や「悪かったこと」にばかり注目していると、「自分には何もできない」「自分は運が悪い」と、どんどん自信を失ってしまいます。

だからこそ、自信を高めるためには、「自分にもできる」「良いこともあった」という事実を1つ1つ確認していく必要があります。

そのために「できたこと」や「良かったこと」をノートにメモしていきましょう。

例えば、

  • 朝早く起きた
  • 部屋の掃除をした
  • 定時で帰れた

など、本当にささいな「できた」や「良かった」も記録していくのです。

そして、「自分はダメだ」と思ったときに、そのノートを見返してみてください。

「自分も頑張っている」「嫌なことばかりじゃない」と、前向きに生きていく自信を取り戻せるはずです。

会話のキャッチボールを意識する

人間関係の基本は「会話」です。

この会話がうまくいかない人は、話す相手とキャッチボールをしている意識を持ちましょう。

  • 今どちらがボールを持っているか(話すのはどちらか)
  • 相手はボールをキャッチする準備が出来ているか(相手は話を聴く準備が出来ているか)
  • 相手のボールはどんな形か(何の話題を投げかけているか)
  • 相手がボールを投げる力はどのくらいか(声の大きさ・口調・表情など)

を観察し、相手からのボールをしっかりキャッチすると共に、相手がキャッチしやすいボールを投げ返すことが大切です。

人間関係がうまくいかない時の悪い解決方法

人間関係を避ける

人間関係がうまくいかないからと避けてしまうと、人間関係で必要なスキルを育む機会を失ってしまいます。

その結果、いざ人と関わったときに失敗が増え、さらに「うまくいかない」という思いを強める悪循環(図1)に陥ってしまいます。

図1人間関係を避ける悪循環(人間関係を育めない)

また、うまくいかないときに人間関係を避けると、人間関係を失敗で終わらせたままになってしまいます。

すると、「次も失敗するのでは…」と、人間関係を築くことに怖さを感じるようになります。

その結果、人前に出ると「失敗したらどうしよう」と萎縮し、かえってうまくいかない状況に陥ってしまうのです。(図2)

図2人間関係を避ける悪循環(人間関係の失敗を恐れる)

うまくいかない原因を他者に押し付ける

人間関係がうまくいかないときに「彼女に協調性がないからだ」「彼が話を聴いていないから!」など、原因を他者に押し付けるのはNG。

人間関係は、自分と相手の双方で作るもの。

そのため、相手の悪い面を引き出しているのはあなたである可能性があります。

例えば、相手が協調性なく振る舞うのは、あなたがそのワガママにNOを言えずにいるからかもしれないのです。

他者のせいにすれば、一時的にスッキリするかもしれません。

しかし、何も状況は変わらず、ストレスは溜まるばかりです。

それよりは「自分に悪いところはなかったか」「自分にできることはないか」を考える方が生産的ですし、これからの人間関係にも役立つでしょう。

まとめ

今回は、人間関係がうまくいかない人の特徴と解決方法をご紹介しました。

人間関係がうまくいかない人の特徴としては、

  • 自己中心的な性格
  • 他者と自分を比べ過ぎる
  • コミュニケーションがうまくいかない

といったものが挙げられます。

また、人間関係がうまくいかない時には、

  • 「挨拶・謝罪・感謝」を忘れない
  • できたことや良かったことを記録に残す
  • 会話のキャッチボールを意識する

という3点を意識することで、人間関係の改善に近づけます。

一方、人間関係がうまくいかないときに、人間関係を避けたり、うまくいかない原因を他者に押し付けたりすると、それ以降の人間関係にも行き詰ってしまいます。

ぜひ、この記事でご紹介した解決方法を取り入れ、より良い人間関係を築いていってくださいね。

【まとめ】人間関係がストレスになりやすい人の特徴と対処方法

【まとめ】人間関係がストレスになりやすい人の特徴と対処方法

生きていく上でストレスを感じている人はたくさんいます。

厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」*1によると、12歳以上を対象とした日常生活での悩みやストレスの有無についての質問に対し、「ある」と答えた人は47.9%にも上っています。

また、悩みやストレスの内容としては、自分自身に関するものを選択した人も多いですが、「家族との人間関係」や「家族以外との人間関係」など人間関係に関する回答を選んだ人も少なくありません。

なぜ、こんなに多くの人が人間関係に悩み、ストレスを抱えてしまうのでしょうか?

この記事では、そんな疑問を解消するため、人間関係がストレスになりやすい人の特徴と対処方法を解説します。

また、人間関係やストレスを悪化させてしまうNGな対処方法もご紹介しますので、あわせてご覧ください。

人間関係がストレスになりやすい人の特徴

自分にも他者にも100点を求める

自分にも他者にも100点を求める「完璧主義」な人は、人間関係にストレスを感じやすくなります。

自分に完璧を求めると、少しのミスをしただけでも「こんな自分では嫌われてしまう」と、他者の目が怖くなってしまいます。

また、他者のミスにも寛容になれず、「なんでこんなこともできないの!」とイライラしたり、細かい部分を逐一指摘してしまい、「面倒な人」と距離を置かれたりしてしまいます。

さらに、全てを自分で管理しないと気が済まないため、他者に頼み事ができず、あれもこれも1人で抱え込むなど、ストレスの高い環境に自らを追い込んでしまうのです。

いつも勝ち負けを気にしている

いつも他者との勝ち負けを気にしている人は、他者の前で気を緩めたり、弱音を吐いたりできません。

「弱い自分を見せると、つけ込まれる」と感じているからです。

そのため、常に「他者に負けないか」「弱い自分がバレないか」と不安を抱きながら、どんなにつらい時でも自信に満ちた自分を精一杯演じ続けます。

また、万が一、「負けた」と感じた時には「劣っている自分なんて誰にも認められない」と深く落ち込んでしまいます。

勝ち負けを気にする人は、勝つためにもストレスが溜まり、負けてもストレスが溜まるという、どっちに転んでも苦しい状態になってしまうのです。

他者に嫌われる不安が大きい

電車で席に座った時に、隣の人が咳き込んだら、あなたはどう思いますか?

「風邪かな?」と思うだけで特に気にしない人が多いのではないでしょうか。

しかし、他者に嫌われる不安が大きい人は「私が何か不快にさせたのかも。ぶつかってしまったのかな?もしかしたら臭いのかな」と一気に不安に陥ります。

このように、同じ状況でも「嫌われているのではないか」と考えてしまうため、人間関係でひどく疲れてしまいます。

また、自分自身の身体が変化することによって、これまで気にしなかった出来事が「迷惑かな」と不安になることもあります。

その一例が妊娠です。

【解消】妊娠中に仕事の人間関係がストレスになる原因と対処方法では、妊娠によって起こる職場の人間関係の変化とストレスの関連についてまとめていますので、ご興味がある方は、ぜひあわせてご覧ください。

人間関係のストレスを感じた時の良い対処方法

自分への期待値を70点に下げる

完璧主義でストレスを抱えてしまう人は、自分への期待値を100点から70点に下げてみましょう。具体的には、

  • 1日にこなしている仕事量を7割に減らす
  • 100%疲れ切る前に70%の疲れの段階で休みを取る
  • スケジュールもこれまでの7割程度の予定に抑える

など、これまでの自分の7割のパワーで暮らせるように心がけてみてください。

これまで完璧に全てをこなそうとしていたあなたですから「7割に抑えよう」と思えば、他の人から見て「80~90点」くらいのことはできていると思います。

そして、その生活を続けていくと「80~90点あれば、多くの場合支障はない」ということに気づき、自分だけでなく他者も許せるようになるはずです。

自分のものさしを持つ

他者との勝ち負けを気にする人も、他者に嫌われる不安が強い人も、他者の評価で自分を測ってしまっています。

しかし、他者の評価は人によって異なります。

例えば、誰にでも優しい人に対して、「優しくしてくれて嬉しい」とポジティブに評価する人もいれば、「八方美人」とネガティブに評価する人もいるのです。

そのため、他者の評価に合わせると、その人には認められても、他の人からは否定され、結局ストレスを抱えることになりがちです。

ぜひ、自分のものさしを持つようにしましょう。

他者がどう思うかではなく、「私が楽しい」「私が心地良い」「私が嬉しい」という風に、「私」を主語にして「今の自分」を評価するクセをつけると、過度に他者を気にせずに済み、人間関係のストレスが軽減されます。

客観的な事実と想像を区別する

他者に嫌われる不安が大きい人は、ちょっとした出来事からも「私は嫌われている」と思い込みがち。

そのため、他の人より何倍もストレスを抱えてしまうのです。

だからこそ、客観的な事実と自分の想像を区別することが大事。

例えば、「私が通りかかった時に同僚が足を出して、私を転ばせようとした」という人は、全てを事実だと思っています。

しかし、誰から見ても事実なのは「通りかかった時に同僚が足を出した」という部分だけで、「私を転ばせようとした」というのは想像に過ぎません。

「同僚はたまたま足を伸ばしただけ」かもしれないのです。

このように客観的な事実をきちんと見極められるようになれば、余計なストレスを抱えることが減ります。

人間関係のストレスを感じた時の悪い対処方法

自分の気持ちを押し殺して付き合い続ける

「人と揉めるのは面倒だから」と自分の気持ちを押し殺して付き合い続けると、周りの人はあなたがストレスを感じていることに気づきません。

そのため、あなたにとってストレスになる関わりを悪気なく続けてしまうでしょう。

これは、あなたにとっても、周りの人にとっても、不幸なことです。

まずは「私は〇〇されるとストレスだ」といくことを自覚しましょう。

そして、信頼できる相手から「実は〇〇な関わりにはストレスを感じるんだ」と丁寧に伝えてきましょう。

あなたと良好な関係を築いていきたい人なら、あなたの気持ちを受け止め、対応してくれるはずです。

すべてを相手のせいにする

「こんなにストレスを感じるのは、全部あいつのせいだ!」とすべての原因を相手に押し付けるのもやめましょう。

例えば、「自己中心的な友達のわがままに振り回される」という人は、一見、その友達だけが悪者に見えます。

しかし、友達に「やめて」と言えないことや、友達をやめる勇気を持てないことなど、自分にも原因があるためにストレスの高い状況が長引いているのです。

他者は変えられませんが、自分は変えられます。

自分自身の課題から目を逸らさず、向き合うようにしましょう。

まとめ

この記事では、人間関係がストレスになりやすい人の特徴をご紹介すると共に、人間関係ストレスへの良い対処方法と悪い対処方法を解説しました。

人間関係がストレスになりやすい人には、

  • 自分にも他者にも100点を求める
  • いつも勝ち負けを気にしている
  • 他者に嫌われる不安が大きい

という3つの特徴があります。

また、人間関係のストレスを感じた時の良い対処方法としては、

  • 自分への期待値を70点に下げる
  • 自分のものさしを持つ
  • 客観的な事実と想像を区別する

という3つのポイントを意識するのがおすすめです。

逆に、自分の気持ちを押し殺して付き合い続けたり、すべてを相手のせいにしたりすると、人間関係が悪化し、ますますストレスが増大してしまいますので注意しましょう。

「そもそも人間関係でストレスを抱えているのか分からない」という人は、【判定】人間関係のストレスチェックでストレス度合いを測定しようで、ストレスチェックができるサイトなどをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考文献

*1 厚生労働省 2019年国民生活基礎調査の概況 p20.

【解消】妊娠中に仕事の人間関係がストレスになる原因と対処方法

【解消】妊娠中に仕事の人間関係がストレスになる原因と対処方法

女性にとって妊娠は大きな喜びとなる一方で、「妊娠前には普通に出来たことが出来ない!」というストレスの原因にもなります。

特に仕事では、これまで通りに働けることを、あなた自身も周りの人も求めがち。

しかし、周りを頼らざるを得ない場面が増えて、もどかしさを感じたり、以前のように仕事ができないあなたに不満を言う人が現れたりと、職場の人間関係がストレスになることは少なくありません。

この記事では、妊娠中に仕事の人間関係がストレスになる原因と対処方法をご紹介すると共に、状況をさらに悪くしてしまう絶対NGの対処方法もお話しします。

これを読めば、妊娠中も気持ち良く働きながら、あなたと赤ちゃんを守るための行動が分かります。

妊娠中に仕事での人間関係がストレスになる原因とは?

周りの人に頼らざるを得ないから

妊娠中は、つわりをはじめ、体調不良に悩まされ、仕事を休んだり、遅刻・早退したりすることが増えます。

また、体調が良くても、妊娠トラブルの原因となってしまう立ち仕事や重い荷物を運ぶ作業などは他の人にお願いする機会が多くなるでしょう。

女性労働協会(2006)*1は、就労している妊婦のストレスについてアンケート調査を行いました。

その結果、就労妊婦の77.5%が「産前・産後休業、育児休暇中、同僚への負担増等の気遣い」をストレスだと感じていることが明らかになっています。

「自分の仕事を誰かに任せる」という行為は、身体の負担は減るものの、心への負担は大きいのです。

マタニティハラスメントを受けるから

女性労働協会の資料を再度見てみると「職場で妊婦への配慮が足りない」「職場で喫煙する人がいる」「上司や同僚の心無い発言」「健診時の休暇取得や理解が得られないこと」など、周囲の人の言葉や態度にストレスを感じることも多いようです。

これらは、妊娠を理由とした嫌がらせである「マタニティハラスメント(マタハラ)」を受けている状態と言えます。

ここでは、そんなマタハラの具体例についてご紹介しましょう。

妊娠前と同じ業務をこなすよう求められる

妊娠すると女性の身体には多くの変化が起こります。

よく知られているものはつわりですが、それ以外にも貧血や手足のむくみ、お腹の張りや腰痛、胸やけ、息切れなど、妊娠前よりも不調を抱えやすくなります。

しかし、そういった不調を理解せず、「これまで通りに働け」「妊娠は病気じゃないんだから甘えるな」と妊娠前と同じ業務をこなすことを求める上司がいると、仕事での人間関係ストレスは一気に高まります。

妊娠を理由に退職を迫られる

妊娠しても「出産後も仕事を続けたい」「育休・産休制度を使って安心して子育てしたい」と退職を選ばない女性はたくさんいます。

しかし、日本に残る『男は仕事、女は家庭』という価値観を押し付け、「子どもが出来たなら子育てに専念すれば?」とやんわり退職を促す上司や同僚もいます。

また、「育休を取るくらいなら辞めろ」「何度も休んで迷惑だから辞めろ」など、強く退職を迫る人もいます。

悪口や嫌がらせを受ける

妊娠をきっかけに悪口や嫌がらせを受けることもあります。

例えば、「あの人が妊娠したせいで自分の仕事が増えた!」「私だって妊娠を希望しているのにどうしてあの人が先なの?」など、あなたと自分の境遇を比べて「あの人ばっかりずるい!」と被害感や嫉妬心を募らせた社員が、悪口を言いふらしたり、嫌がらせをしたりすることがあるのです。

また、妊娠による体型の変化に対して「お前太ったな」「胸が大きくなったな」など言われ、不快な気分にさせられることもあります。

妊娠中に仕事で受ける人間関係ストレスへの良い対処方法

赤ちゃんと自分を最優先!

上市ら(2004)*2の研究によると、受験では、第1志望校を受験した人(行動した人)は時間が経過するにつれて後悔が小さくなる一方で、第1志望を諦めて第2志望校を受験した人(行動しなかった人)は時間が経つごとに後悔が大きくなることが明らかになっています。

つまり、やり直しのきかない人生の岐路で「〇〇したい」と思いながら行動しなければ、その後悔がどんどん大きくなっていくということです。

妊娠・出産は受験以上にやり直しがきかないものです。

「あの時、休んでいれば…」「無理しなければ…」という後悔に苛まれ続けることのないよう、勇気を持って自分と赤ちゃんを守る行動を取りましょう。

上司や同僚にうまく頼る

これまで通りにいかない部分は、上司や同僚に相談して上手に頼ることが大切です。

あなたをサポートしてくれないように見える上司や同僚も「妊婦になると何に困るのか」「どんなサポートができるのか」が分からず、手を出せないだけかもしれません。

また、妊婦の就労は法律でも以下のように保護されています。

■男女雇用機会均等法

  • 保健指導または健康診査を受けるための時間の確保
  • 妊娠中の通勤緩和
  • 妊娠中の休憩に関する措置
  • 妊娠中または出産後の症状等に対応する措置

■労働基準法

  • 妊産婦等の危険有害業務の就業制限
  • 妊婦の軽易業務転換
  • 時間外、休日労働、深夜業の制限、変形労働時間制の適用制限

しかし、これらの法律が社内で十分に知られていないこともあります。

まずはあなた自身から「どんなことに困っているのか」「どんな制度を使いたいのか」を具体的に発信してみましょう。

「母体健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」を活用して、医師などの専門家による指導内容を会社に伝えるのもおすすめです。

妊娠中に仕事で受ける人間関係ストレスへの悪い対処方法

協力してもらうことを当然だと考える

「妊婦はサポートするよう法律で定められているから、協力してもらって当然」という態度では、「この人に協力したくない」と距離を置かれたり、こっそり悪口や陰口を言われたりして、かえってストレスが溜まる環境になってしまうことも。

  • やってもらったことには感謝の気持ちを示す
  • 急に休むことになっても周りの人が困らないよう引継ぎ資料を作成しておく

など、気持ち良く協力してもらうための配慮は大切です。

1人で抱え込んでしまう

そもそも妊娠中は心も身体もいつも以上に不安定です。

そのため、妊娠前には1人で対処できた人間関係のストレスも想像以上に負担になることがあります。

そのストレスは赤ちゃんの健康にも悪影響を与えるリスクがあるため、早めの対処が大事です。

仕事で人間関係に悩んだら、1人で抱え込まず、家族や友人、信頼できる同僚や上司などに相談してみましょう。

話しているうちに気持ちが軽くなったり、1人では気づかなかった解決策が見えてきたりします。

また、社内に設置された相談窓口や都道府県労働局雇用環境・均等部(室)では、マタハラ相談を受け付けています。

「こんなことで相談してもいいのかな」とためらわず、連絡してみましょう。

まとめ

妊娠中に仕事での人間関係がストレスになる原因は大きく2つに分けられます。

1つ目は「周りの人を頼らざるを得ないから」、そして2つ目の理由は「マタニティハラスメントを受けるから」です。

妊娠はやり直しがききませんから、「無理しなければ良かった」と後悔することのないよう、赤ちゃんと自分を優先することが何より大切です。

また、上司や同僚に対しては「こんなことに困っている」「この制度を使いたい」と自分から具体的に伝えていくと、協力を得られやすくなります。

一方、協力してもらって当然という態度は、周囲の「協力したい」という気持ちを削いでしまいます。

協力してくれる周りの人への感謝と配慮は忘れずに。

また、ストレスを1人で抱え込んでしまうと自分はもちろん、赤ちゃんの健康にも悪影響となります。

「こんなことで」とためらわず、ぜひ身近な人や相談機関に積極的に相談してみてくださいね。

案外、自分がストレスを感じているかは分かりにくいもの。

「私は人間関係でどんなストレスを感じているんだろう?」と気になる方は、【判定】人間関係のストレスチェックでストレス度合いを測定しようをぜひご覧ください。

また、妊娠中に限らず、人間関係にストレスを感じやすい人は【まとめ】人間関係がストレスになりやすい人の特徴と対処方法もあわせて読んでみてください。人間関係のストレスに負けない自分になるための方法が分かります。

参考文献

*1 財団法人女性労働協会(2006)妊娠期・子育て期の女性労働者のストレスに関する調査
報告書
*2 上市秀雄・楠見孝(2004)後悔の時間的変化と対処方法-意思決定スタイルと行動選択
との関連性- 心理学研究 74(6) pp487-495.

【判定】人間関係のストレスチェックでストレス度合いを測定しよう

【判定】人間関係のストレスチェックでストレス度合いを測定しよう

「友達に言いたいことが言えなくてモヤモヤする」

「ご近所さんがプライベートに踏み込んできて面倒」

「上司にきつい言葉で叱責されて、明日からの仕事が不安」

など、人間関係をきっかけにストレスを抱えることは珍しくありません。

過度なストレスは心や身体の不調の原因となるため、早めの対処が必要です。

しかし、ストレスは目に見えませんから、「今、自分がどのくらいのストレスを抱えているか」は案外分かりにくいものです。

そこで今回は、人間関係のストレスをチェックする方法をご紹介します。

また、チェックした結果、ストレスが高い場合にできる対処法も解説しておりますので、あわせてご覧ください。

人間関係のストレスチェックを受けるには?

まずは自分が人間関係でどのくらいストレスを受けているかをチェックしてみましょう。

インターネット上には人間関係のストレスチェックができるサイトが数多く存在します。

ここでは、その中の2つをご紹介します。

人間関係のストレス診断テスト

人間関係のストレス診断テスト」では、全35問の質問に回答することで、

  • 不仲によるストレス
  • 他者からの攻撃によるストレス
  • 人間関係による精神的ストレス

の3つの視点から、自分が抱えている人間関係ストレスの度合いを知ることができます。

自分のストレス状態やアドバイスコメントも確認できるため、これからの人間関係に結果を生かしやすいのも特徴です。

また、この診断テストは得られた回答から統計分析を行い、改訂を経て精度を高めているため、比較的信頼できるものだと言えるでしょう。

5分でできる職場のストレスセルフチェック

5分でできる職場のストレスセルフチェック」は、厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づき、全57問で構成されています。

人間関係のストレスに特化したサイトではありませんが、職場で感じるストレスについて、仕事の負担感や身体の疲れなどの指標と共に、職場での対人関係ストレスの度合いや職場や家庭での周りの人から十分なサポートを受けられているかをチェックできます。

また、ストレスが要注意ゾーンに達していると、ストレスを軽減するためのコメントが見られるほか、ストレスケアのための「e-ラーニング」や「相談窓口」をまとめたページへのリンクが表示されるため、すぐにストレスへの対処を始められます。

つらい状態なら専門機関での受検も

人間関係で深く悩み、つらい状態が続いているようであれば、病院などの専門機関に「ずっと人間関係のストレスを抱えて苦しい。その原因を知りたいので検査を受けてみたい」と相談してみましょう。

専門家が「この人の困りごとを解決するために、確かに検査は役立ちそうだ」と判断すれば、心理検査を実施してくれるでしょう。そして、

  • あなたが人間関係でどの程度ストレスを抱えているのか
  • 人間関係のどんな場面でストレスになっているのか
  • 人間関係をうまくやり過ごせない原因は何か

などを探り、これからのストレスなく人間関係を築いていくためにできることを教えてくれるはずです。

ただし、専門機関は「治療」や「問題解決」を行う場所ですので、単に「ストレスチェックを受けてみたい」というだけでは、受検できない可能性が高いです。

人間関係のストレスチェック結果が高い時にできること

ストレスを感じる人との関わり方を変える

ストレスを感じるのが特定の個人に絞られている場合、関わり方のパターンを変えるのがおすすめです。

バーン(Berne,E.)が創始した「交流分析」では、不快感情と非生産的な結末をもたらす人間関係のパターンを「ゲーム」と呼び、そのゲームを終わらせることを目指しました。

ゲームの例としては次のようなものが挙げられます。

■はい、でも(Why Don’t YouーYes,But)

「明日、どの服を着ていったらいいか迷っているんだ」と相談を持ち掛け、相手から「青色の服が似合っていたよ」と助言されると、「そう?でも、あの服はカバンと合わないんだよなぁ」と答え、「じゃあ、あの白色のブラウスがいいんじゃない?」と言われると「うん。でも、汚れが目立つしなぁ」と答える…という風に、どんな助言を受けても「でも」と否定します。

一見、他者を頼りにしているようですが、「あなたには何も解決できないだろう」「あなたの思い通りにはならない」という攻撃性を秘めています。

■さぁ、とっちめてやるぞ(Now I’ve Got You, Son of a Bitch)

ちょっとしたミスを見つけると、わざわざ大勢の前で恥をかかせるように指摘してきます。

自分に自信がないため、他者を貶めることで「私の方が優れている」「私の方が上だ」ということを確認しているのです。

■キック・ミー(Kick Me)

わざと不快な発言・行動を繰り返し、周りの人が自分を嫌うように仕向けます。

「どうせ自分は人から嫌われる存在だ」と確信しており、上記のような行動を取って、実際に周りの人が自分から離れていくと「ほら、やっぱり自分は嫌われ者だ」と、どこか安心してしまう人たちです。

幼少期に「親に十分に愛されなかった」と感じており、その理由として「自分が嫌われる存在だからだ」と思い込んでいる傾向があります。

これらのゲームを仕掛けてくる人は、あなたと良好な関係を築くことには興味がありません。

あなたが思い通りに反応してくれるかどうかしか見ていないのです。

そのため、付き合い続けても、良い関係にはなれません。

「ゲームを仕掛けられている」と気づいたら、距離を置くようにしましょう。

また、個人ではなく、人間関係そのものがストレスになる方はぜひ【まとめ】人間関係がストレスになりやすい人の特徴と対処方法を読んでみてください。

いくつかのコミュニティに参加する

狭い人間関係の中で「うまくいかない」と感じると、「このままじゃ居場所がなくなってしまう」と大きなストレスを抱えることになります。

また、これまでは良い人間関係を築けていても、ちょっとした変化でストレスの高いコミュニティになってしまうこともあります。

例えば、妊娠中の職場はその代表的なものと言えるでしょう。

詳しくは【解消】妊娠中に仕事の人間関係がストレスになる原因と対処方法にまとめていますので、こちらもぜひお読みください。

趣味のサークルや行きつけのお店など、いくつかのコミュニティを持っておくと、「ここでうまくいかなくても、別の居場所がある」と安心感を持てますし、1つのコミュニティで抱えたストレスを、別のコミュニティで発散することも可能です。

その結果、人間関係がうまくいかない時でも抱えるストレスを軽減できるのです。

友人や専門家に相談する

人間関係のストレスの対処法としては、他者への相談もおすすめ。

相談には、

  • 話すことで気持ちがスッキリする
  • 話していく中で考えが整理される
  • 他者からのアドバイスで新たな解決策が見つかる
  • 「いざという時、助けてくれる人がいる」と感じられる

といった効果が期待できます。

まずは家族や友人といった身近な人に相談してみましょう。

また、「身近に相談できる人がいない」という方は、医師やカウンセラーなどの専門家に相談してみてください。

まとめ

今回は「人間関係のストレスチェックを受ける方法」と「ストレスチェックの結果が高い時にできる対処法」をご紹介しました。

人間関係のストレスチェックを受けたい方は、

  • 人間関係のストレス診断テスト
  • 5分でできる職場のストレスセルフチェック

といったインターネット上の診断サイトを活用するのがおすすめ。

また、人間関係がつらい状態なら、専門機関で「心理検査を受けたい」と相談しても良いでしょう。

人間関係のストレスチェック結果が高い時には、

  • ストレスを感じる人との関わり方を変える
  • いくつかのコミュニティに参加する
  • 友人や専門家に相談する

といった3つの対処法があります。