オンラインカウンセリングのおすすめは何処なのかを知りたい人も多いのではないでしょうか?
現在、オンラインカウンセリングを行っている相談機関はいくつかあります。
自分の悩み事などを相談するわけですから、信頼できるところに相談したいですよね。
そこで今回は、オンラインカウンセリングの選び方について解説します。
本記事を読むことで、失敗しないオンラインカウンセリングの選び方が分かります。
これからオンラインカウンセリングを受けようと思っている方は、ぜひ記事をご覧ください。
オンラインカウンセリングのおすすめは臨床心理士・公認心理師
結論から言うと、オンラインカウンセリングのおすすめは臨床心理士・公認心理師が在籍するところになります。
理由は、心理学の専門的な知識・スキルを持っているのが臨床心理士、公認心理師だからです。
さらに言うと、臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持っているカウンセラーがおすすめです。
臨床心理士、公認心理師について解説しつつこの点について深堀します。
臨床心理士
臨床心理士については、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し認定を受けた人のみがなることができます。
そして、臨床心理士になるには第1種指定大学院、第2種指定大学院、専門職大学院のいずれかを修了しなければ臨床心理士の受験資格を得ることはできません。
(大学の学部は心理系の学部でなくても受験資格が与えられます)
当然、大学院には入学試験がありますので、大学卒業後、大学院入試を突破する必要があります。
そして、大学院入学後はカリキュラムをこなし、修士論文を書き上げなければなりません。
(専門職大学院に限って言えば、必ずしも修士論文を書く必要はありません)
つまり、臨床心理士は大学院入試に合格、大学院を修了、さらに臨床心理士試験に合格しなければなることはできないのです。
ちなみに、臨床心理士試験は一次試験と二次試験があり、最終的な合格率は60%前後です。
臨床心理士になるには多くの関門を突破する必要があり、心理の分野で最も有名な資格です。
公認心理師
公認心理師は、日本初の心理職の国家資格です。
2017年に公認心理師法が施行され、2018年から公認心理師試験が行われています。
心理職の資格と言えば先ほどの臨床心理士が有名ですが、臨床心理士は民間資格です。
うつ病や自殺の問題が大きくなるにつれて、心理職の国家資格化の必要性が訴えられてきました。
何度も頓挫した中、ようやくできた日本初の国家資格が公認心理師です。
公認心理師になるにはいくつかのルートがありますが、大学卒業と大学院修了がメインのルート(Aルート)になります。
しかし、全てをゼロからスタートさせることはできません。
なぜなら、すでに現場で働いている心理職をどうするのかという問題があるからです。
現場で働いている心理職に今から大学卒業、大学院修了を求めるのはかなり厳しいものがあります。
そのため、公認心理師は2018年から5年間の移行期間が設けられました。
移行期間には、条件を満たせば公認心理師の受験資格を認めるという経過措置が取られました。
例えば、すでに大学院を修了している人には大学院時代に取得した単位を公認心理師カリキュラムの科目として読替え、一定の基準を満たせば受験資格を与えられます。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
それは、すでに現場で働いている現任者(Gルート)については、5年間の実務経験があれば講習を受けることで公認心理師試験の受験資格を認めている点です。
5年の実務経験とは、下記の内容になります。
公認心理師法第二条 (1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析 (2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の 援助 (3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
そして、この5年の実務経験というのは週1回のボランティアでもOKとなっています。
また、現任者(Gルート)は自己申告となっていて、勤務先の証明権限のある代表者が受験申込時の実務経験証明書に署名、捺印して願書を提出することになっています。
そのため、本来は先ほどの公認心理師法第二条に掲げた行為を行っていないにも関わらず、公認心理師資格を取得している人間が少なからずいるはずです。
ちなみに、2020年の第2回公認心理師試験の合格率は、約46%です。
1番信頼できるのは臨床心理士・公認心理師のダブルライセンス
ここまで臨床心理士、公認心理師について解説しました。
カウンセラーは臨床心理士が良いのか、公認心理師が良いのかという議論がありますが、カウンセリングを受ける上で1番のおすすめは両方の資格を持ったカウンセラーに相談することです。
実は、カウンセラーというのは誰でも名乗ることができます。
極端なことを言うと、心理学について何も知らない人が今日からカウンセラーと名乗ったとしても法的には何も問題ありません。
そして、これが心理業界の大きな問題点なのです。
きちんと大学や大学院で心理学の勉強をしていない、臨床心理士も公認心理師も持っていないカウンセラーが巷には溢れています。
テレビやメディアに出ているカウンセラーにも注意が必要です。
例えば、恋愛心理学について話しているカウンセラーがいますが、そもそも心理学に恋愛心理学という分野はありません。
テレビやYouTubeなどに出ている肩書が公認心理師だけのカウンセラーには注意した方が良いでしょう。
なぜなら、先ほど解説したように2022年まで公認心理師は移行期間となっていて、誰でも受験できる可能性が高いからです。
カウンセリングというのは、人の心を扱うとてもデリケートなお仕事です。
専門的なカリキュラムできちんと心理学を学んだことのない人間がカウンセリングをすることは、クライエントを傷つける可能性も十分にあります。
そのため、カウンセリングを受ける際は臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持っているカウンセラーに相談することを強くおすすめします。
こんな話をすると、臨床心理士、公認心理師を持っていないカウンセラーでも良いカウンセラーはいると言う人がいます。
確かにそうかもしれませんが、それは一部の例外である可能性が高いです。
カウンセラーは、資格を持っているのか、良いカウンセラーなのかということで次の4つに分類することができます。

そして、臨床心理士・公認心理師を持たなくても良いカウンセラーがいるというのは、上図の4分類のうち左下の1つしか見ていない状態です。
確かに臨床心理士・公認心理師を持たなくても良いカウンセラーもいるでしょう。
しかし、それ以上に臨床心理士・公認心理師を持つ良いカウンセラーは多いでしょうし、臨床心理士・公認心理師を持たない悪いカウンセラーも多いでしょう。
つまり、臨床心理士・公認心理師でなくても良いカウンセラーがいるというのは、全体を見ずに一部の例外的な状況に注目している状態に過ぎません。
もっと言うと、例えば自分が外科手術を受けるときに医師免許を持たない人にお願いしますか?
私は、1年間に何百冊の医学書を読んでいても医師免許を持たない人に手術をお願いすることはないです。怖すぎます。
同じようにカウンセリングについては、臨床心理士と公認心理師のダブルライセンスを持つカウンセラーに相談することをおすすめします。
精神科医
精神科医にカウンセリングを受けることはどうでしょう?
結論から言うと、こちらについてもおすすめしません。
なぜなら、精神科医は精神医学の専門家であり、心理学の専門家ではないからです。
医学部のカリキュラムで心理学の講義は、ほとんどありません。
そのため、精神科医は心理学やカウンセリングについては詳しくないのが現状です。
また、精神科医の主な仕事は診断をしてお薬を処方することです。
1人の患者に時間を取ってじっくり話を聴いてくれることは、まずあり得ません。
もちろん、カウンセリングではなくお薬を希望される場合は精神科医に相談しましょう。
カウンセラーがお薬を処方することはできません。
ただし、じっくり話を聴いてほしいという場合には精神科医ではなく臨床心理士・公認心理師を持つカウンセラーに相談するようにしましょう。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障害者に対する相談援助などの業務に携わる人の国家資格です。
しかし、精神保健福祉士は心理学の専門家ではありません。
社会福祉士
社会福祉士は、日常生活を営むのに問題がある人からの相談に対して助言や指導、援助を行なう専門職です。
しかし、社会福祉士も心理学の専門家ではありません。
おすすめできないオンラインカウンセリング
ここまでオンラインカウンセリングでおすすめできるのは臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持つカウンセラーであることを解説しました。
ここからさらに深堀して、オンラインカウンセリングでおすすめできない相談機関について解説します。
カウンセラーが臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持っていない
これまで解説したように、最も信頼できるのは臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持っているカウンセラーです。
どちらか片方だけを持っているカウンセラーも避けた方が良いでしょう。
世の中には、両方の資格を持つカウンセラーがかなりいます。
ですので、各相談機関のホームページで両方の資格を持っているカウンセラーを探しましょう。
カウンセラーの所属学会しか書いていない
ホームページでカウンセラーの所属学会のみが記載されているところがあります。
学会等に所属していない人から見たら、〇〇学会という記載があるとそのカウンセラーがとても優秀で権威性があるように見えるかもしれません。
しかし、基本的に学会には誰でも入れます(笑)。
心理分野では日本心理臨床学会が有名ですが、臨床心理士や公認心理師でなくても入ることは可能です。
カウンセラーが資格を持っていないときに、所属している学会の名前を書いて読者の信頼を得ようとしているように見えます。
カウンセラーが実名・顔出ししていない
ホームページでカウンセラーの名前がイニシャルだったり、顔写真を掲載していないところがあります。
はっきり言って、見るからに怪しいです(笑)。
何か実名・顔出しできない理由でもあるのかと不安になってしまいますよね。
カウンセラーが実名・顔出ししていないようなところには相談しないことをおすすめします。
カウンセリング料金が書いていない
ホームページにカウンセリング料金を記載していないところもあります。
こちらも、はっきり言って怪しいです(笑)。
正直、ぼったくられるんじゃないかと不安になります。
カウンセリング料金を明記していないようなところには相談しないことをおすすめします。
カウンセリング料金が高い
ホームページにカウンセリング料金を記載していても、あまりに高額なところはおすすめしません。
対面カウンセリングの平均的な料金は、東京や大阪などの大都市では10,000円前後です。
駅近くのカウンセリングルームを借りるとなると、テナント料も高くなります。
しかし、オンラインカウンセリングであればそこまで経費は高くならないはずです。
オンラインカウンセリングはカウンセリングルームを借りる必要がないので、経費のほとんどがカウンセラーの人件費になります。
これは、オンラインカウンセリングの大きなメリットです。
負担にならない料金で気軽に利用できるのがオンラインカウンセリングのメリットですから、料金が高いところはあまりおすすめできないですね。
実際にオンラインカウンセリングを受けてみてどう感じるかも大切
ここまでオンラインカウンセリングのおすすめについて解説しました。
最後に、少し補足しますね。
人によってはオンラインカウンセリングより対面カウンセリングが良い人もいたり、逆に対面カウンセリングよりもオンラインカウンセリングの方が良い人もいるでしょう。
ですので、実際にオンラインカウンセリングを受けてみてどう感じるかを見てみましょう。
また、これはオンラインカウンセリングに限らないのですが、カウンセリングにおいてはカウンセラーとの相性も大切です。
なんとなく相性が悪いと感じたら、そのことを相談機関に伝えてみましょう。
きちんとした相談機関であれば、カウンセラーを変えてくれるはずです。
まとめ
オンラインカウンセリングにおすすめなのは、臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持つカウンセラーがいる相談機関です。
臨床心理士・公認心理師のダブルライセンスを持ち、かつ自分にとって相性の良いカウンセラーを見つけてください。