どんな人でも「人間関係に失敗した!」という経験を持っているもの。
だからこそ、「誰にでもあるさ」と気にしないのも1つの方法です。
しかし、「同じパターンの失敗ばかりしている」「いつも人間関係で失敗して仕事が続かない」という人は、少しずつ次の人間関係を持つことが怖くなります。
その結果、日常生活や仕事にまで悪い影響が出てしまうことも。
ずっと失敗を繰り返している場合には、適切な方法で改善することが必要となります。
この記事では、
- 人間関係に失敗する原因
- 人間関係での失敗を改善する方法
の2つを解説しています。
明日から試せる具体的な方法をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
人間関係に失敗する原因とは?
自己中心的で他者への配慮がない
人間関係に失敗する原因の1つは、自己中心的で他者への配慮に欠けていることです。
自己中心的な人は、他者に対して自分の要求を訴え、自慢話を繰り返し、自分の感情を吐き出します。
そして、相手が嫌そうな顔をすると、「冷たい」「思いやりがない」と怒り出します。
他者のことを「自分を気持ち良くしてくれる存在」としてしか見ておらず、他者の感情や都合には全く配慮がないのです。
当然、このように他者への配慮がない行動を続けていると、うんざりした人からどんどん離れていってしまいます。
他者に合わせてばかりで自分がない
意外なことに、他者に合わせてばかりの人も人間関係で失敗しがち。
他者に合わせて行動する「協調性」は、人間関係を構築するための大切なスキルです。
ただし、普段は自分の意思で判断・行動できることが大前提。
自分の意見を何も持たず、単に他者に委ねるのは協調性ではなく、「依存」です。
どんなときも「あなたに任せるよ」という返答しかない人に対して、他者は「優柔不断」「面倒な人」とネガティブな印象を抱きます。
また、「責任を押し付けられている」と負担に感じる人もいます。
その結果、安定した人間関係を築くことが難しくなってしまうのです。
いつも勝ち負けにこだわる
私たちは小さい頃から様々な競争にさらされ、何度も「負け」を経験してきました。
しかし、負けても「頑張ったね」と認めてくれる親や友人がいれば、「勝ち負けに関係なく、自分を認めてくれる人がいる」「自分には価値がある」と感じることができます。
ところが、競争に負けたときに「負けるなんて情けない」と非難された経験があると、「勝負に勝たない自分に価値はない」と感じやすくなります。
そのため、ちょっとしたことでも「自分の方がすごい」とアピールしないと、不安になるのです。
しかし、周囲の人は「あの人は、いつも自慢ばかりしてくる」と嫌な気持ちになり、次第に距離を置くようになってしまいます。
コミュニケーション能力が不足している
人間関係で何度も失敗している人は、自分のコミュニケーションのスタイルを見つめ直してみてください。
コミュニケーションには、大きく次の2種類があります。
- 言語的コミュニケーション:言葉で意思を伝達するコミュニケーション
- 非言語的コミュニケーション:表情・視線・あいづち・声色・ジェスチャーなど、言葉ではない部分で意思を伝えるコミュニケーション
コミュニケーションと聞くと、言語的コミュニケーションばかり意識しがちですが、非言語的コミュニケーションも人間関係では大きな役割を果たしています。
例えば、相手の話を聴くときに無表情で見つめていると、相手は「聞いているのか?」「興味がないのかな」と不安が募り、次に話しかけるのをためらうようになってしまいます。
自分は言語的コミュニケーションが苦手なのか、非言語的コミュニケーションが不十分なのかをよく見つめ直し、1つ1つ丁寧に改善していくことが大切です。
人間関係で失敗しがちな状況を改善する方法とは?
自分の中にある失敗の原因を探す
人間関係に限らず、失敗を受け入れるのはつらいもの。
つい「でも…」「だって…」と、相手を責めるような言い訳が出てきてしまいます。
しかし、「自分」と「相手」で築いてきた人間関係だからこそ、自分にも失敗の原因はあります。
また、相手に悪い部分があったとしても、今後も同じような性格の人と出会う可能性は十分あります。
その時に同じ失敗をしないためにも、自分の対応方法を変えていくしかないのです。
まずは、人間関係に失敗する原因が自分にもあることを認め、「どうして失敗したのか」をよく検討してみましょう。
相手の意見をしっかり聴く
人間関係で失敗しないためには、相手を尊重することが大事です。
「でも、相手を尊重するって、具体的に何をすればいいの?」と困ってしまう方は、相手の意見をしっかりと「聴く」ところから始めましょう。
「聴」という字には、「耳」「十」「目」「心」という4つの漢字が入っています。
つまり、「聴く」という行為は、耳だけでなく、目や心も使って十分に相手の話を理解しようとする積極的な姿勢を示しています。
言葉を受け取るだけではなく、相手の表情やジェスチャーをしっかりと見て、「この人のことを理解したい」と寄り添う気持ちで向き合えば、自然と相手を尊重した態度になれるのです。
色々な価値観や考え方を知る
人間関係で失敗する人に共通しているのは「視野が狭い」ということ。
例えば、これまでご紹介してきた「人間関係に失敗しがちな人たち」は、次のような考え方を強く信じています。
- 自己中心的な人:「周囲が自分に合わせるのが当然」
- 他者に合わせてばかりの人:「人とうまく付き合うには他者に合わせるしかない」
- 勝ち負けにこだわる人:「勝たなければ意味がない」
しかし、自分の考えにしがみついていると、自分自身の成長・変化や他者との柔軟な付き合いが妨げられてしまいます。
人との出会いはもちろん、読書・映画・旅行など様々な体験を通じて、幅広い価値観や考え方を知ることが、多様な人とうまく付き合うスキルを高めることにつながります。
コミュニケーションに慣れる
コミュニケーションのスキルは意思を伝える「道具」でしかありません。
そして、道具は実際に使わなければ、上手に使えるようにはなりません。
例えば、自転車を乗りこなすには、何度も転びながら自転車を漕ぐ必要があります。
同じようにコミュニケーションスキルを使いこなすには、失敗を繰り返しながらも、コミュニケーションに挑戦してみることが必要となります。
また、家族や親しい友人とは楽しく話せるのに、初対面の人を前にすると途端に言葉が出てこなくなるという人も少なくありません。
コミュニケーションのスキルは十分にあるはずなのに、いざという時に使えなくなるパターンです。
家族や友人のように慣れている相手なら「自分がこう言えば、相手はこう返すだろう」という見通しが持てるため、安心してコミュニケーションが取れます。
しかし、初対面の人からはどんな反応が返ってくるか分からないため、「こんなことを言ったら怒るかな」「嫌われていないだろうか」と、不安や緊張で頭がいっぱいになり、コミュニケーションを取るどころではなくなってしまうのです。
このようにコミュニケーションを妨げる不安や緊張をできるだけ減らすためには、「初対面の人でも大丈夫」と思えるくらいコミュニケーションの成功体験を積むことが必要です。
ぜひコミュニケーションに慣れる機会をたくさん持つようにしましょう。
また、【良好】人間関係がうまくいく5つのコツを心理学の専門家が教えますでは、安定した人間関係を築くための具体的なコミュニケーションのコツをまとめています。
「どういうスキルから使ってみればいいの?」と迷っている方は、ぜひ読んでみてください。
「失敗した!」と思ったらすぐに謝る
誰でも人間関係で失敗することはあります。
大切なのは失敗したときに「できるだけ早く謝ること」です。
失敗してから謝るまでの時間が長ければ長くなるほど、「あんなことをしても謝りもしない!」と相手は不快な気持ちを募らせていきます。
その結果、時間が経ってから謝っても、相手は受け入れてくれないこともあるのです。
謝るときには、以下の3つのポイントを押さえるようにします。
1.謝罪の気持ちを伝える
何よりもまず「申し訳ありません」「ごめんなさい」と謝罪の気持ちを伝えてください。
2.自分が誤っている具体的なポイントを伝える
「自分が軽率な発言をしたばかりに傷つけてしまいました」など、自分自身が何について謝っているかを明確にします。
3.全身を使って謝る
どれだけ言葉で謝罪を伝えても、表情がふてくされていたり、目を合わせなかったりすると、「反省していないじゃないか!」と、かえって相手を不快にさせてしまいます。
表情・視線・声色・姿勢など、全身で謝罪の気持ちを伝えるように心がけましょう。
まとめ
人間関係に失敗する原因としては、「自己中心的で他者への配慮がない」「他者に合わせてばかりで自分がない」「いつも勝ち負けにこだわる」「コミュニケーション能力が不足している」の4パターンがあります。
同じ失敗を繰り返さないためにも、まずは自分自身が持つ失敗の原因を探り、この記事で紹介している「相手の意見をしっかり聴く」「色々な価値観や考え方を知る」「コミュニケーションに慣れる」「すぐに謝る」といった方法に取り組んでみましょう。
また、【解決】職場の人間関係に悩んだときに試してほしい3つのことでは、職場での人間関係を良好に保つための方法を、【簡単】人間関係に役立つ心理学のテクニック【明日から使える】では、人とうまく付き合うための心理学テクニックをまとめていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。