「友達に言いたいことが言えなくてモヤモヤする」
「ご近所さんがプライベートに踏み込んできて面倒」
「上司にきつい言葉で叱責されて、明日からの仕事が不安」
など、人間関係をきっかけにストレスを抱えることは珍しくありません。
過度なストレスは心や身体の不調の原因となるため、早めの対処が必要です。
しかし、ストレスは目に見えませんから、「今、自分がどのくらいのストレスを抱えているか」は案外分かりにくいものです。
そこで今回は、人間関係のストレスをチェックする方法をご紹介します。
また、チェックした結果、ストレスが高い場合にできる対処法も解説しておりますので、あわせてご覧ください。
人間関係のストレスチェックを受けるには?
まずは自分が人間関係でどのくらいストレスを受けているかをチェックしてみましょう。
インターネット上には人間関係のストレスチェックができるサイトが数多く存在します。
ここでは、その中の2つをご紹介します。
人間関係のストレス診断テスト
「人間関係のストレス診断テスト」では、全35問の質問に回答することで、
- 不仲によるストレス
- 他者からの攻撃によるストレス
- 人間関係による精神的ストレス
の3つの視点から、自分が抱えている人間関係ストレスの度合いを知ることができます。
自分のストレス状態やアドバイスコメントも確認できるため、これからの人間関係に結果を生かしやすいのも特徴です。
また、この診断テストは得られた回答から統計分析を行い、改訂を経て精度を高めているため、比較的信頼できるものだと言えるでしょう。
5分でできる職場のストレスセルフチェック
「5分でできる職場のストレスセルフチェック」は、厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づき、全57問で構成されています。
人間関係のストレスに特化したサイトではありませんが、職場で感じるストレスについて、仕事の負担感や身体の疲れなどの指標と共に、職場での対人関係ストレスの度合いや職場や家庭での周りの人から十分なサポートを受けられているかをチェックできます。
また、ストレスが要注意ゾーンに達していると、ストレスを軽減するためのコメントが見られるほか、ストレスケアのための「e-ラーニング」や「相談窓口」をまとめたページへのリンクが表示されるため、すぐにストレスへの対処を始められます。
つらい状態なら専門機関での受検も
人間関係で深く悩み、つらい状態が続いているようであれば、病院などの専門機関に「ずっと人間関係のストレスを抱えて苦しい。その原因を知りたいので検査を受けてみたい」と相談してみましょう。
専門家が「この人の困りごとを解決するために、確かに検査は役立ちそうだ」と判断すれば、心理検査を実施してくれるでしょう。そして、
- あなたが人間関係でどの程度ストレスを抱えているのか
- 人間関係のどんな場面でストレスになっているのか
- 人間関係をうまくやり過ごせない原因は何か
などを探り、これからのストレスなく人間関係を築いていくためにできることを教えてくれるはずです。
ただし、専門機関は「治療」や「問題解決」を行う場所ですので、単に「ストレスチェックを受けてみたい」というだけでは、受検できない可能性が高いです。
人間関係のストレスチェック結果が高い時にできること
ストレスを感じる人との関わり方を変える
ストレスを感じるのが特定の個人に絞られている場合、関わり方のパターンを変えるのがおすすめです。
バーン(Berne,E.)が創始した「交流分析」では、不快感情と非生産的な結末をもたらす人間関係のパターンを「ゲーム」と呼び、そのゲームを終わらせることを目指しました。
ゲームの例としては次のようなものが挙げられます。
■はい、でも(Why Don’t YouーYes,But)
「明日、どの服を着ていったらいいか迷っているんだ」と相談を持ち掛け、相手から「青色の服が似合っていたよ」と助言されると、「そう?でも、あの服はカバンと合わないんだよなぁ」と答え、「じゃあ、あの白色のブラウスがいいんじゃない?」と言われると「うん。でも、汚れが目立つしなぁ」と答える…という風に、どんな助言を受けても「でも」と否定します。
一見、他者を頼りにしているようですが、「あなたには何も解決できないだろう」「あなたの思い通りにはならない」という攻撃性を秘めています。
■さぁ、とっちめてやるぞ(Now I’ve Got You, Son of a Bitch)
ちょっとしたミスを見つけると、わざわざ大勢の前で恥をかかせるように指摘してきます。
自分に自信がないため、他者を貶めることで「私の方が優れている」「私の方が上だ」ということを確認しているのです。
■キック・ミー(Kick Me)
わざと不快な発言・行動を繰り返し、周りの人が自分を嫌うように仕向けます。
「どうせ自分は人から嫌われる存在だ」と確信しており、上記のような行動を取って、実際に周りの人が自分から離れていくと「ほら、やっぱり自分は嫌われ者だ」と、どこか安心してしまう人たちです。
幼少期に「親に十分に愛されなかった」と感じており、その理由として「自分が嫌われる存在だからだ」と思い込んでいる傾向があります。
これらのゲームを仕掛けてくる人は、あなたと良好な関係を築くことには興味がありません。
あなたが思い通りに反応してくれるかどうかしか見ていないのです。
そのため、付き合い続けても、良い関係にはなれません。
「ゲームを仕掛けられている」と気づいたら、距離を置くようにしましょう。
また、個人ではなく、人間関係そのものがストレスになる方はぜひ【まとめ】人間関係がストレスになりやすい人の特徴と対処方法を読んでみてください。
いくつかのコミュニティに参加する
狭い人間関係の中で「うまくいかない」と感じると、「このままじゃ居場所がなくなってしまう」と大きなストレスを抱えることになります。
また、これまでは良い人間関係を築けていても、ちょっとした変化でストレスの高いコミュニティになってしまうこともあります。
例えば、妊娠中の職場はその代表的なものと言えるでしょう。
詳しくは【解消】妊娠中に仕事の人間関係がストレスになる原因と対処方法にまとめていますので、こちらもぜひお読みください。
趣味のサークルや行きつけのお店など、いくつかのコミュニティを持っておくと、「ここでうまくいかなくても、別の居場所がある」と安心感を持てますし、1つのコミュニティで抱えたストレスを、別のコミュニティで発散することも可能です。
その結果、人間関係がうまくいかない時でも抱えるストレスを軽減できるのです。
友人や専門家に相談する
人間関係のストレスの対処法としては、他者への相談もおすすめ。
相談には、
- 話すことで気持ちがスッキリする
- 話していく中で考えが整理される
- 他者からのアドバイスで新たな解決策が見つかる
- 「いざという時、助けてくれる人がいる」と感じられる
といった効果が期待できます。
まずは家族や友人といった身近な人に相談してみましょう。
また、「身近に相談できる人がいない」という方は、医師やカウンセラーなどの専門家に相談してみてください。
まとめ
今回は「人間関係のストレスチェックを受ける方法」と「ストレスチェックの結果が高い時にできる対処法」をご紹介しました。
人間関係のストレスチェックを受けたい方は、
- 人間関係のストレス診断テスト
- 5分でできる職場のストレスセルフチェック
といったインターネット上の診断サイトを活用するのがおすすめ。
また、人間関係がつらい状態なら、専門機関で「心理検査を受けたい」と相談しても良いでしょう。
人間関係のストレスチェック結果が高い時には、
- ストレスを感じる人との関わり方を変える
- いくつかのコミュニティに参加する
- 友人や専門家に相談する
といった3つの対処法があります。