誰しも「もう疲れた!人間関係なんて全部捨ててしまいたい!」と感じた経験があるのではないでしょうか。
しかし、職場や親戚、ご近所さんなど、これからのことを考えると、簡単には切れない人間関係も多いもの。
今の日本はもちろん、古今東西を問わず「人間関係に疲れた…」と悩む人はたくさんいました。
そして、その悩みを少しでも解決しようと、多くの偉人が名言を残しています。
今回は、
- 人間関係に疲れた原因を見つめ直す3つの名言
- 人間関係に疲れた心を癒してくれる3つの名言
をご紹介します。
これらの名言に触れれば、今抱えている人間関係の疲れを癒し、これからの人間関係にも前向きに取り組めるようになります。
人間関係に疲れた原因を見つめ直す3つの名言
美輪明宏の名言
人間関係で一番大事なのは、腹八分ではなく腹六分。夫婦、恋人、親子、仕事関係、すべて腹六分でお付き合いを
美輪明宏
日本で俳優・歌手・タレントとして幅広く活躍している美輪明宏の名言です。
優しい人であればあるほど、他者の分まで悩んだり、行動したりすることがあります。
例えば、「子どもを就職率の良い〇〇大学に入れてあげたい」と悩むお父さんをイメージしてみましょう。
このお父さんは子どものためを想い、進学実績の高い塾に子どもを入れるかもしれません。
月謝を払うのは苦しくても「子どものため!」と、さらに懸命に働くかもしれませんね。
でも、そんな想いとは裏腹に、子どもは「僕は××大学に行きたい」と主張する可能性もあるのです。
このお父さんは子どもの主張を受け入れられるでしょうか?
「子どものため!」と全力を注いできたからこそ、「俺はなんのために頑張ったんだ…」としばらく立ち直れないかもしれません。
自分の100%を他者に注ぎ込むと「これだけ尽くしたのだから、相応の見返りがあるだろう」と相手に期待する気持ちが生まれます。
しかし、相手にも相手の考えや気持ちがあります。
もしかしたら「尽くしてもらった」どころか「お節介」と不快に思っている可能性まであるのです。
だからこそ、他人のことは期待通りの反応が返ってこなくても大して気にならない「腹六分」程度に留め、残りの四分は自分の幸せのために残しておく方が、結果的に人間関係もうまくいくのです。
アン・モロー・リンドバーグの名言
この世で人を疲れ果てさせるものは、自分を偽る心です
アン・モロー・リンドバーグ
単独で大西洋無着陸横断飛行を初めて成し遂げたチャールズ・リンドバーグの妻であり、自身もアメリカの女性初のグライダーライセンスを取得したアン・モロー・リンドバーグの名言です。
後に文筆家としても活躍しました。
私たちはつい「他者からどう見えるか」を気にしてしまいがちです。
例えば、本当は仕事がつらくて辞めたいのに、「みんなは平気なんだから自分にも耐えられるはず」と頑張ってしまう人が少なくありません。
しかし、どれだけ「みんなは平気」でも「自分はつらい」という事実は変わりません。
自分を偽り続けた結果、心も身体も疲弊し切って「うつ病」や「適応障害」で立ち止まらざるを得なくなるケースも多いのです。
「みんな」と違う判断・行動をすることは怖いことですが、取り返しのつかない事態になる前に自分自身の心と身体に向き合う勇気を持ちましょう。
デール・カーネギーの名言
私たちの疲労は仕事によって生じたのではなく、悩み、挫折、後悔が原因となっていることが多い
デール・カーネギー
アメリカの小説家・評論家であり、これまで数多くの自己啓発や人生哲学に関する本を著してきたデール・カーネギーの名言です。
厚生労働省が発表した「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」*1によると、労働者に同僚の離職理由を聞いたところ、上位4つの回答は、
- 賃金が不満:44.3%
- 仕事上のストレスが大きい:37.4%
- 会社の経営理念・社風が合わない:25.3%
- 職場の人間関係がつらい(職場でのいじめ、セクハラ・パワハラを含む):24.4%
「賃金の不満」と「仕事上のストレスが大きい」は労働条件や仕事によるものですが、残りの「会社の経営理念・社風が合わない」と「職場の人間関係がつらい(職場でのいじめ、セクハラ・パワハラを含む)」には、人間関係が関わっていることが分かります。
つまり、自分自身の人間関係の疲れを改善することが安定した働き方にもつながるのです。
職場での人間関係に疲れている方は、【判明】人間関係の悪い職場の5つの特徴とそこでの立ち振る舞い方も読んでみてください。自分にできる具体的な対策をまとめています。
人間関係に疲れた心を癒してくれる3つの名言
岡本太郎の名言
友達に好かれようなどと思わず、友達から孤立してもいいと腹をきめて、自分を貫いていけば、本当の意味でみんなに喜ばれる人間になれる
岡本太郎
「芸術は爆発だ!」という言葉でよく知られる芸術家の岡本太郎らしい、ブレない名言です。
人によって「〇〇な人が好き」という基準は異なります。
そのため、「みんなに好かれたい」と思うと、人によって態度を変えなければならなくなります。
例えば、AさんとBさんそれぞれからお互いの悪口を聞かされ、嫌われたくなくて両方に「わかる」と返答したとしましょう。
その場では「わかってくれるの!ありがとう!」と喜ばれたとしても、ささいなきっかけでAさんにもBさんにもいい顔をしていたことがバレてしまうかもしれません。
すると「あの人は八方美人だ」「裏表がある」とあなたの評価は一気に地に落ちてしまうでしょう。
安易に同意するのではなく、AさんにもBさんにも「嫌われても仕方がない」と腹をくくり、「私にとってAさんもBさんも大切な人だから、そういう話は聞きたくない」と伝えた方が、「信頼のおける人」とポジティブに受け止められることもあるのです。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの名言
山から遠ざかればますますその本当の姿を見ることができる。友人にしてもこれと同じである
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
デンマークの童話作家で、「みにくいアヒルの子」や「人魚姫」といった作品でおなじみのアンデルセンの名言です。
「みにくいアヒルの子」とは、他のアヒルと違う見た目の自分を苦にしており、周りのアヒルからも「みにくい」とバカにされてきた主人公が成長すると、実は立派な白鳥でした…というお話です。
私たちも小さなコミュニティにいると、周りの人の言うことが真実だと思ってしまい、「何とか合わせないと」と疲弊してしまいます。
しかし、そのコミュニティを離れれば、実は全く別の価値観もあることに気づき、元のコミュニティにいた人たちを別の角度から見つめ直すことができるのです。
松下幸之助の名言
失敗すればやり直せばいい。やり直してダメなら、もう一度工夫し、もう一度やり直せばいい
松下幸之助
たくさんの失敗を重ねた末に大企業パナソニックの創業者となった、松下幸之助だからこその重みのある名言です。
人間関係での失敗を経験すると「もう疲れた!面倒くさい!」と思ってしまいがち。
しかし、失敗の原因と向き合い、しっかりと改善できれば、人間関係に必要なスキルを磨くチャンスとなり、結果として「疲れた」と感じる頻度を下げることにつながります。
失敗したときこそ自分の苦手を潰すチャンスと捉えてみましょう。
「人間関係で失敗してしまった!どうすればいいかわからない!考えるのにも疲れてしまった」という人は、【失敗は成功の元】人間関係に失敗する原因とそこから学ぶべきことをお読みください。失敗してしまう原因と対策がばっちり分かります。
まとめ
この記事では、
- 人間関係に疲れた原因を見つめ直す
- 人間関係に疲れた心を癒す
という2つの視点から、世界の偉人たちの名言をご紹介しました。
悩みというものは「自分だけが不幸だ」と思うほど、つらく感じられるもの。
自分の心に響いた名言は手帳などにメモして、「疲れた」と感じた時に見るようにしましょう。
名言の内容はもちろん、「過去にも同じように悩んだ人たちがいる」という事実が、人間関係に疲れたあなたの心をそっと包んでくれるはずです。
参考文献 *1 厚生労働省職業安定局 雇用開発部雇用開発企画課(2014.5)働きやすい・働きがいの ある職場づくりに関する調査報告書