【まとめ】人間関係に疲れたときの解決方法【職場・プライベート】

【まとめ】人間関係に疲れたときの解決方法【職場・プライベート】

友達・地域・職場など、私たちは多様なコミュニティに参加しながら生活しています。

そして、そのコミュニティ内で欠かせないのが「人間関係」です。

うまくいっている間はなんとも心強い人間関係ですが、時には足かせのように感じられることも。

「もう人間関係なんて疲れた!」と逃げ出したくなった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

実際には人間関係から簡単に逃げ出すことはできません。

しかし、疲れを軽減することは可能です。

この記事では、「なんで私だけこんなに疲れるんだろう?」「人間関係に前向きになりたい」とお悩みの方に向けて、人間関係に疲れたときの原因と解決方法を「職場」と「プライベート」という2つの状況に分けてご紹介します。

職場での人間関係に疲れたと感じる原因

苦手な人と協力しなければならない

プライベートであれば、誰かと一緒に作業をする時には、自分にとって好ましい人を選ぶでしょう。

しかし、そうはいかないのが仕事。

苦手な人とでも必要があれば、協力し合わなければならないのです。

本心では「できれば近づきたくない…」と思いながらも、平静を装い、近寄らざる得ない葛藤は心にも身体にも大きな負担を与えます。

上司や顧客など気を遣わなければならない

本来、人間関係ではお互いが1人の人間として対等であることが理想的です。

しかし、職場では上下関係や利害関係なども絡んでおり、必ずしも対等とは言えないのが現実。

上司や顧客など自分よりも強い立場の人の言葉には、多少納得できなくても応じなければなりませんし、相手の機嫌を損ねないように注意する必要があります。

常に気を張り詰めているため、気が緩むと一気に疲れを感じることも。

職場での人間関係に疲れた時の解決方法

苦手な人への期待値を下げる

私たちが人を「苦手だな」と感じるときには、無意識に「普通ならこうするべきなのに、こんなこともできないのか」と自分の価値観で相手を下に見ています。

例えば、いつもムスッとしている人が苦手な場合には、「仕事なんだからもっと愛想よくすべき」という価値観で相手を見ています。

しかし、他者には他者の価値観があります。

例えば、ムスッとしている人は「愛想がなくても仕事ができれば問題ない」と考えているかもしれないのです。

苦手な人に対し、自分の価値観で勝手に期待しすぎていないかを振り返ってみましょう。

そして、期待値を下げて、他の良い部分を見るようにしてみてください。

図1期待値が高いときに見えるもの
図2期待値が低いときに見えるもの

上の図1、図2は期待値が高い/低いときに見えるものを表現しています。

図1のように期待値が高いと「愛想がない」という欠点ばかりが見えて、他の良い部分は埋もれてしまっています。

しかし、図2のように期待値を下げると、「仕事が早い」「数字に強い」「冷静」など良い面も見えてくるのです。

ビジネスモードの自分を演じる

職場だけで完結する人間関係であれば、ビジネスモードの自分を演じるのも効果的。

その時に取り入れたいのがビジネス専用の服装です。

私たちの心には服装によって他者の印象が変わる「ユニホーム効果」が働いています。

例えば、しっかりアイロンのかかった白衣姿の医師には「信頼できる」と感じやすくなります。

その一方で、シワだらけでところどころ汚れているような白衣を着ている医師には「信用できない」と感じる人が多くなるのです。

もちろん、ユニホーム効果は自分自身にも働きます。

例えば、カジュアルな服装の時には自然にリラックスした自分になれますし、ピシッとドレスアップした時には、いつも以上に背筋を伸ばしてキビキビとふるまう自分になっています。

上司・先輩・ドラマや映画の登場人物など、理想とするビジネスパーソンの服装を真似して、仕事で着用すれば、自然と「ビジネスモード」の自分を演じられるようになります。

プライベートの服としっかり分けておけば、勤務終了後に着替えるだけで自分の気持ちも切り替えやすく、いつまでも疲れを引きずることがなくなります。

プライベートでの人間関係に疲れたと感じる原因

他人にどう見られているかを気にしてしまう

自由であるはずのプライベートな時間でも「人間関係に疲れた」と感じてしまう人は、他人に「良く見られたい」と思い過ぎているのかもしれません。

  • 本当は「家でのんびりしたい」と思っていても、友達から「遊びに行こうよ」と誘われると断れない。
  • 周りの人に「お金がない」と思われたくなくて、欲しくもないブランドの服やバッグを買っている。
  • 友達に「あなたは天然キャラだよね」と言われると、無理にそういうキャラクターを演じようとしてしまう。

など、自分の本当の気持ちを無視して、周りの人の評価を基準として行動し続けていると、ふとした時に「私は一体何をしているんだろう」と疲れが襲ってきます。

世間の「こうすべき」に振り回される

プライベートでも人間関係に疲れてしまう背景には、世間の「こうすべき」という意見に振り回されてしまう性格も影響しています。

例えば、自分は「結婚しなくても十分幸せ」と思っていても、色々な人から「結婚しないと後悔する」などと言われ続けると「そうなのかなぁ」と心が揺れ始めます。

家族や親戚、友人などの近い関係であるほどこのようなことが発生しやすいため、「どうしたものか」と対応に悩み、心身ともに疲れ果ててしまうこともあります。

プライベートでの人間関係に疲れた時の解決方法

いつも丁寧かつ他人行儀にふるまう

「他者にどう見られているか」を気にする人は、人に合わせて自分の態度や行動を変えようとするため、過剰に疲れてしまいます。

まずは、誰に対しても「いつも丁寧で礼儀正しい」ことだけを心掛けましょう。

図3他者に振り回される人(左)と健康な人(右)の人間関係図

また、他人の基準で動く人は、図3の左図のように自分と他者の境界が薄いため、自分にとって大切な考え・感情・感覚まで他者によって乗っ取られてしまいがち。

丁寧で礼儀正しい「他人行儀」は、まさにその人たちが「自分」の領域に侵入することを防ぎ、右図のように「他者」の領域に留めるのに役立ちます。

「なんだよ、他人行儀で水臭いな」と不満を言い、無理に距離を縮めようとする人は、あなたの領域に侵入し、あなたの心や身体を利用しようとしている可能性が高いです。

他人行儀を維持し、少しずつ距離を離していく方が良いでしょう。

また、【解決】人間関係を整理した方が良い場合とその具体的な方法では、あなたにとって本当に必要な人か整理すべき人かを見極める基準と整理方法を解説しています。

自分の人間関係を見つめ直したい方はぜひ合わせてご覧ください。

自分にとっての幸せを見つける

世間の「こうすべき」を訴えかけてくる人には、あなたに「人並みに幸せになってほしい」と願っている人と、世間を味方につけてあなたを貶めたい人との2種類に分かれます。

前者に対しては、「私はちゃんと幸せだよ」ということをアピールする必要があります。

自分にとっての「幸せ」をきちんと見つけて、楽しく過ごしている様子を見せていけば、「こうすべき」という話題も少しずつ減っていくでしょう。

一方、後者はあなたを利用して、自分が優位に立ちたいだけです。

「そうかもしれませんね」と同意すれば「言い負かした」と満足しますし、「そんなことない」と反論すれば「あなたのためを思って言ったのに」とあなたを悪者にします。

相手にしても良いことがありませんので、「ご指導ありがとうございます」とさらりと受け流し、「用事がありますので」などと言って、その場から離れましょう。

友達との人間関係に疲れている方は【注意】人間関係で疲れる友達の特徴5選と解決方法をまとめましたもおすすめ。疲れる友達の見分け方や対処方法を具体的にまとめています。

まとめ

今回は、「職場での人間関係に疲れたと感じる原因と解決方法」と「プライベートでの人間関係に疲れたと感じる原因と解決方法」の2つをお話ししました。

職場での人間関係に疲れたと感じる原因と解決方法として、

  • 苦手な人と協力しなければならない→苦手な人への期待値を下げる
  • 上司や顧客など気を遣わなければならない→ビジネスモードの自分を演じる

という方法をご紹介しています。

また、プライベートでの人間関係に疲れたと感じる原因と解決方法としては、

  • 他人にどう見られているかを気にしてしまう→いつも丁寧かつ他人行儀にふるまう
  • 世間の「こうすべき」に振り回される→自分にとっての幸せを見つける

という方法を解説しました。

人間関係に疲れやすい人は【癒し】人間関係に疲れたときに読んでほしい名言をまとめましたも読んでみてください。人間関係に向き合う時の支えになる名言にたくさん出会えます。

公認心理師・臨床心理士。これまで精神科・児童相談所・療育施設などで臨床経験を重ね、現在はスクールカウンセラーとして勤務。そのかたわらでライター活動にも取り組んでいる。