【まとめ】人間関係がめんどくさい原因と対処方法【良い・悪い】

【まとめ】人間関係がめんどくさい原因と対処方法【良い・悪い】

「人間関係ってめんどくさい…」と感じることはありませんか。

毎回「めんどくさい」と感じてしまうと、人と関わるのが億劫になり、仕事や日常生活にまで支障をきたすことも。

そこで、この記事では、人間関係がめんどくさい原因をご説明すると共に、そんなめんどくさい人間関係への良い対処方法を解説します。

また、めんどくさい人間関係は安易に対応すると、かえって関係をこじらせてしまう危険性もあります。

そこで、絶対に避けたい悪い対処方法についてもご紹介しますので、あわせてご覧ください。

すでに人間関係がめんどくさい人、今後めんどくさい人間関係に巻き込まれるのを避けたい人が、明日からどうすればいいかが具体的に分かります。

人間関係がめんどくさい原因

きずなとほだしは紙一重だから

高木ら(2006)*1は大学生とその親族・友人に対して「絆」という言葉を示し、“これはどういうものか、どのようなことが「絆」なのか”を記述してもらう研究を行いました。

その結果、絆には「信頼」「愛情」といったプラスの感情がある反面、「時には煩わしい」「どろどろした」といったマイナス感情も含まれることが明らかになっています。

そもそも、実は「絆」という漢字も、読み方によって、プラスの意味かマイナスの意味かが変わります。

プラスの意味を持つのは、ご存じのとおり「絆(きずな)」です。

そして、マイナスの意味を持つのが「絆し(ほだし)」です。

「ほだし」とは元々「馬の脚をつなぎ留める縄」や「手かせ・足かせ」のこと。

そこから転じて「人の自由を妨げるもの」を意味する言葉になっています。

これらは紙一重の存在で、時と場合によって相手との強い「きずな」が「ほだし」に感じられることもあります。

例えば、両親から子どもへの「お前ならできる」という言葉に対し、「親は自分を信じてくれている」と嬉しく思う子どももいれば、「本当はやりたくないけど親が言うならやるしかない…」と苦しく感じる子どももいます。

嫌いな相手でなくても、時に「めんどくさい!」と感じてしまうのは、「きずな」が「ほだし」になってしまったからなのです。

承認欲求があるから

人は誰しも「他者から認められたい」「他者から尊敬されたい」という「承認欲求」を持っています。

承認欲求についての詳しい解説は人間関係をリセットしたいと思っている人に伝えたいことにまとめていますので、興味がある方はぜひご覧ください。

そして、承認欲求が強すぎると誰からも認められようと、相手によって自分を演じ分ける「八方美人」の状態に陥ります。

その結果、「あの人、誰にでもいい顔するよね」など悪口を言われて、かえってめんどくさい状況になることも。

また、相手の評価を気にするあまり、相手がちょっとあくびをしただけで「私の話に興味がないのかな」「つまらない話をしてしまったかも」と不安になるなど、ささいなことでいちいち動揺してしまうため、心が疲れて「何もかもめんどくさい」と投げやりになってしまいます。

自分の思い通りにならないから

人には他者を操作したい気持ちがあります。

例えば、寺島ら(2007)*2によると、「自分は有能だ」という誇大的な自己イメージを持っている人は、自分がいかに優れているかをアピールすることで、相手から注目や賞賛を受けようとします。

また、逆に自尊心が低い人は自分の弱さをアピールして、他者からのケアを受けられるように仕向けます。

しかし、これらの操作は必ずしも成功するとは限りません。

どれだけ有能さをアピールしても、「この人鼻につくなぁ」と嫌がられて、全く賞賛してもらえないこともありますし、弱々しく見せても「もっと元気出さなきゃ」と叱責されることもあります。

自分の思い通りにならないことが続くと、「人間関係ってめんどくさい」という思いが強くなってしまうでしょう。

めんどくさい人間関係への良い対処方法

自分と他者をしっかり区別する

めんどくさい人間関係に共通するのが、自分に許されている権利を見失っているということ。

自分が何を考え、何を感じ、どんな行動をするかは、本来であればその人自身の権利です。

しかし、ほだしや承認欲求があると、その権利の一部を他者に委ねてしまいます。

また、自分の思い通りにしたがる人は、他者に無理やり「こう考えろ」「こう感じろ」「こうしろ」と自分に許された権限を簡単に踏み越えようとしてしまいます。

このように、お互いの権利を無視した瞬間、人間関係はめんどくさいものになってしまいます。

めんどくさい人間関係を予防するには、自分と他者を区別することが大切です。

自分で自分を認める

自分に自信がない人は、自分自身では「自分は認められている」「自分は大丈夫」と確信を持てないため、常に他者から「あなたを認めている」「あなたなら大丈夫」と評価されることを求めます。

しかし、他者の評価でしか自分を認められないと、「他者からどう見られているか」「他者に気に入られるにはどうすればいいか」ばかりが気になり、他者の欲求や気持ちに応えるのに必死で、自分の欲求や気持ちは二の次になってしまいます。

その結果、ストレスを溜め込み「めんどくさい」と投げやりになってしまうのです。

まずは自分が感じる「やりたい」「したくない」などの気持ちを素直に認めてみてください。

そして、簡単なことから自分の欲求や気持ちに従ってみましょう。

例えば、「眠い」と思ったら寝て、「嫌だ」と思ったらやめる…というような感じです。

そのように自分の気持ちのままに1つ1つ実践していくと、「自分にもできる」という自信が芽生え、他者の評価がなくても平気になってきます。

自分の意見を明確に伝える

「こうしてほしい」や「それは嫌だ」という気持ちを言葉にせず、相手に察してもらうことを期待すると、うまく伝わらなかった時に「どうして分かってくれないの!」と勝手に不満を抱えたり、自分の気持ちを飲み込んで我慢することになったりします。

その結果、大切な人との「きずな」も「ほだし」に感じられ、めんどくさくなります。

大切な相手だからこそ、自分の気持ちや意見を言葉ではっきりと伝えるようにしましょう。

人間関係がしんどい理由とそんなときに試してほしい5つのことでは、自己主張の方法について詳しくまとめていますので、こちらもぜひお読みください。

めんどくさい人間関係への悪い対処方法

他者からの関わりを無視する

人間関係がめんどくさいからと言って、他者からの関わりを無視するのは絶対NG。

無視する側は「悪口言った訳じゃないし、大して悪いことはしていない」という感覚ですが、無視された側は「この人は私の存在を認めていない」「この人は私を大切に扱うつもりがない」と感じます。

そして、もう二度と話しかけなくなるだけでなく、親しい人が同じ傷つきを受けないよう、「あの人は無視してくるから気をつけた方がいい」と忠告を広めます。

そのため、無視をしてしまうと、その相手だけでなく、周りの人全てから冷ややかな目で見られ、距離を置かれてしまう可能性があるのです。

自分を押し殺してイエスマンになる

「相手ともめるのは、めんどくさいから」と、気に沿わないことにも「イエス」と言い続ける「イエスマン」になるのもおすすめできません。

「あの人は何でもイエスと言ってくれる」と評価されると、あなたを利用したい人ばかりが集まり、結局はめんどくさい人間関係に巻き込まれる危険性が高まってしまうためです。

まとめ

この記事では「人間関係がめんどくさい原因」と「めんどくさい人間関係への良い/悪い対処方法」について解説しました。

人間関係がめんどくさい原因には、

  • きずなとほだしは紙一重だから
  • 承認欲求があるから
  • 自分の思い通りにならないから

の3つがあります。

また、めんどくさい人間関係への良い対処方法としては、

  • 自分と他人をしっかり区別する
  • 自分で自分を認める
  • 自分の意見を明確に伝える

という3つの方法を解説しました。

めんどくさいと感じる他者からの関わりを無視したり、逆に自分を殺してイエスマンになったりすると、さらに関係をめんどくさくさせてしまう可能性がありますので、注意しましょう。

参考文献

*1 高木修、戸口愛泰(2006)「絆」の光と影:「絆」のイメージとその構造に基づく「絆
」尺度の作成 関西大学社会学部紀要 37(2) pp3-28.
*2 寺島瞳、小玉正博(2007)他者を操作することに影響を及ぼす個人内要因の検討 パー
ソナリティ研究 15(3) pp313-322.

公認心理師・臨床心理士。これまで精神科・児童相談所・療育施設などで臨床経験を重ね、現在はスクールカウンセラーとして勤務。そのかたわらでライター活動にも取り組んでいる。