「これまでは順調だった人間関係が、いつの間にかうまくいかなくなった」という事態は、意外と多くの人が体験しています。
この時期に「うまくいかないなぁ」と感じながら、何の対処もせず放っておくと、人間関係がうまくいかない→人間関係に苦手意識を持つ→さらに人間関係がうまくいかなくなる…という悪循環に陥ることもあります。
一方で、人間関係がうまくいかないときに自分としっかり向き合えば、成長するチャンスにもできるのです。
そこで、今回の記事では、
- 人間関係がうまくいかないときに考えられる原因
- その状況を乗り越える方法や成長する方法
を分かりやすく解説します。
人間関係がうまくいかないときに考えられる原因は?
自分の心や身体の調子を崩している
これまでうまくいっていた人間関係につまずき始めたら、まずは自分の心や身体の調子をチェックしてみましょう。
ここでは、厚生労働省のHPで紹介されているストレスのサインをご紹介します。
【こころのサイン】
□不安や緊張が高まって、イライラしたり怒りっぽくなる
□ちょっとしたことで驚いたり、急に泣き出したりする
□気分が落ち込んで、やる気がなくなる
□人づきあいが面倒になって避けるようになる
【体のサイン】
□肩こりや頭痛、腹痛、腰痛などの痛みが出てくる
□寝つきが悪くなったり、夜中や朝方に目が覚める
□食欲がなくなって食べられなくなったり、逆に食べすぎてしまう
□下痢したり、便秘しやすくなる
□めまいや耳鳴りがする
*1 厚生労働省「ストレスのサイン」こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
これらの不調により自分が弱っていると、いつも以上に自分を守ろうとしてしまいます。
その結果、以前なら受け流せたような冗談にも「バカにされている!」と腹が立って言い返したり、「どうせ私は嫌われているんだ」と人から距離を取ったりと、人間関係がうまくいかなくなってしまうのです。
周囲の環境が変わってしまった
人間関係は自分と周りの他者とで作り上げるものです。
そのため、周りの環境が変わってしまうと、これまで通りの人間関係ではうまくいかないことが起こり得ます。
引越しや転職など周りにいる人そのものが変わることで、人間関係がうまくいかなくなるケースは想像しやすいでしょう。
しかし、これまで親密な関係を築いてきた人でも、うまくいかなくなるときがあります。
例えば、いつも仲良しのAさんとBさんを考えてみましょう。
Aさんは結婚して子どもにも恵まれました。
すると当然、家事や子育てのため、これまでのようにBさんの誘いに応じることはできません。
Bさん以上に優先すべきものが増えてしまったからです。
一方、これまでと変わらないBさんは、遊ぶ回数が減ってしまって「もっと遊びたい」と寂しさや不満が募ります。
そんなBさんを見ると、Aさんは「そんなこと言ったって仕方ないでしょ」と不快な気持ちがわいてきます。
その結果、二人の関係も少しギクシャクしてしまうのです。
このように、一方の環境が変わってしまうと、人間関係もガラリと変わります。
そして、その変化に対応できないうちは、自分も相手も「うまくいかないなぁ」と感じることになります。
人間関係がうまくいかないときを乗り越える方法
意識的にリラックスする時間を持つ
人間関係がうまくいかないときには、自分の心と身体のバランスを整えることが最優先。
まずは意識的にリラックスする時間を持ちましょう。
特別なことをするよりも、毎日の食事・入浴・睡眠の質を高めるよう心掛けてみてください。
- 食事:栄養バランスのとれた食事を三食。親しい人と楽しみながら食べるとなおよし。
- 入浴:湯舟につかってのんびりと。アロマオイルや入浴剤を楽しむのもおすすめ。
- 睡眠:十分な睡眠時間を確保する。身体に合ったマットレスや枕を探すとさらにリラックス効果がアップ。
また、余裕があれば、1日15分ほどの適度な運動を取り入れると、ストレス解消に効果的です。
ただし、「疲れて動きたくない…」という時に無理するのはNG!
心と身体の声にゆっくり耳を傾けながら、自分が「心地良い」「楽しい」「嬉しい」と思える活動を行うようにしましょう。
このほかにも、文部科学省のHP*2では、様々なリラックス法が紹介されていますので、ご興味がおありの方はぜひご覧ください。
自分の心が落ち着くまで距離を置くことも大切
人間関係がうまくいかないことが続くと、「次こそは失敗したくない!」「なんとかしなきゃ」と焦る気持ちがわいてきます。
しかし、焦っていると相手の気持ちに寄り添う余裕がなくなります。
そして、ひとりよがりの行動で、ますます関係を悪化させてしまうのです。
良好な人間関係を取り戻すには、「相手がどんな気持ちなのか」「相手が何を望んでいるのか」を、目の前にいる相手の言葉・しぐさ・表情などを観察し、読み取った上で、柔軟に対応していく冷静さが不可欠です。
そのため、自分の心が落ち着き、冷静さを取り戻すまでは、人との距離を置くのも大切なことなのです。
人間関係がうまくいかないときは成長するチャンス!
人間関係の在り方を変えられる
私たちが生きていく上で、人間関係は避けられません。
そして、人間関係に正解はなく、相手によって求められる関わり方は異なります。
そのため、「人間関係がうまくいかない」と感じたときは、自分のこれまでの人間関係を見つめ直すとともに、新しい人との関わり方を獲得するチャンスになります。
たくさんの関わり方を持っているほど、新しい人と出会った時に「この人は、こんな感じで関われば良さそう」と柔軟に対応できるようになるのです。
自分にとって心地良い環境を見つける機会にも
私たちは変わりたくなくても、変わらなければならないときがあります。
例えば、良好な関係を築けている職場で「ずっとこの心地良い職場にいたい」と願っても、仲が良かった上司や同僚が、異動や転職でいなくなることがあります。
また、あなた自身、時間が経てば都市を取っていきますし、いつしか部下や後輩ばかりに囲まれて、若い頃のように周りの社員と気軽に話すことはできないかもしれません。
すると、かつて「心地良い」と思っていた職場は、すっかり居心地の悪い場所になっていることも。
「人間関係がうまくいかない」と感じたら、「かつての自分」が感じていた心地良さにしがみつかず、「今の自分」にとっての心地良い環境を改めて探してみましょう。
まとめ
この記事では、人間関係がうまくいかないときに考えられる原因と乗り越える方法をご紹介しました。
人間関係がうまくいっていないときには、
- 自分の心や身体の調子を崩している
- 周囲の環境が変わってしまった
という2つの原因が考えられます。
また、そんな状況を乗り越える方法としては、
- 意識的にリラックスする時間を持つ
- 自分の心が落ち着くまで距離を置く
といった方法をご説明しました。
実は、人間関係がうまくいかないときは、人間関係の在り方を見つめ直したり、自分にとって心地良い環境を見つけたりと、自分自身を成長させるチャンスにもなりえます。
うまくいかないからとネガティブにならず、ぜひ前向きに今の状況を楽しんでみてください。
また、「いつも人間関係がうまくいかない」とお悩みの方は、【まとめ】人間関係がうまくいかない人の特徴と解決方法【良い・悪い】に、具体的な解決方法をまとめています。こちらもあわせてご覧ください。
引用文献 *1 厚生労働省「ストレスのサイン」こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルス サイト~
参考文献 *2 文部科学省「第2章 心のケア各論」CLARINETへようこそ