最近では、悩みの解決法として「カウンセリング」がよく知られるようになりました。
しかし、実際にカウンセリングに通った経験のある人と出会う機会は少なく、カウンセリングを受けたい気持ちはあっても、「カウンセリングってどんなものなの?」と不安で一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- カウンセリングとはどのようなものか
- カウンセリングのメリット
- カウンセリングのデメリット
について、具体的に解説します。
カウンセリングとは?
カウンセリングの定義と目的
カウンセリングとは、「専門家であるカウンセラーと相談者が対話を重ねる中で、相談者が主体的に悩みを解決できるよう支援するプロセス」を指します。
大切なのは、カウンセラーではなく、「相談者本人が解決する」ということ。
つまり、カウンセラーは「こうすればいい」と指示やアドバイスを行うのではなく、「どうすればいいんだろう?」と立ち止まってしまった相談者が、自分なりの解決方法を選べるようにサポートするのです。
カウンセリングの流れ
カウンセリングの基本的な流れは、おおよそ次のようになります。
1.信頼関係の構築
相談者が素直な考えや気持ちを話せる関係を作ります。
カウンセラーは相談者を否定せずに話を聴くと共に、カウンセリングのルールや、カウンセリングでできること/できないことをしっかり説明し、お互いにとって安心・安全な環境を作ります。
2.相談者から話を聴く
カウンセラーが相談者の悩みを聴いていきます。
事実関係だけでなく、相談者の気持ちにも共感しながら耳を傾けます。
3.悩みの根底にある原因を探る
カウンセラーは理解したことを伝えたり、分からない点を質問したりします。
相談者はカウンセラーの理解や質問から、「自分はこう考えていたんだな」「どうして自分はそんな風に感じたんだろう」と考え、自己理解を深めていきます。
それを繰り返す中で、悩みの奥深くにある原因が見えてきます。
4.相談者なりの解決方法を発見する
相談者自身が「どう生きていきたいか」を一緒に見つめ、しっくりくる解決策を探していきます。
5.解決に向けた行動を支援する
解決策を実践し、うまくいかないところは「どうすればうまくいくんだろう?」と再度考えていきます。
カウンセリングで対応できる悩み
カウンセリングは、幅広い悩みに対応可能です。
例えば、うつ病・適応障害・パニック障害・社会不安障害・強迫性障害・摂食障害・PTSD・依存症などの精神疾患の治療にも、薬物療法と併用して、カウンセリングが活用されています。
また、次のような悩みがある方も利用できます。
・自分自身の悩み
「人が怖い」「やる気が出ない」など
・親子の悩み
「親との関係がうまくいかない」「子どもが不登校」など
・夫婦や恋人の悩み
「DVを受けている」「セックスレスで悩んでいる」など
・仕事の悩み
「仕事でミスが多い」「上司からの叱責がつらい」など
・身体や性の悩み
「病気とどう付き合えばいいか分からない」「自分の性に違和感がある」など
カウンセリングを受けるメリットとは?
気持ちがすっきりする
「こんなことを相談したら、相手に迷惑をかけてしまう」
「こんな悩み、誰も理解してくれないだろう」
などの思いから、悩みがあっても、誰にも相談できない人はたくさんいます。
そんな1人で抱え込んでいた悩みをカウンセリングで吐き出すだけでも、モヤモヤしていた気持ちがすっきりします。
話すことで考えを整理できる
悩みが1つ生まれると、そこから悩みが大きく発展していくことがあります。
例えば、「掃除が苦手」という悩みでも、「掃除ができないことをバカにされたらどうしよう…」「このままでは結婚できないかも!」など、悪い未来を想像して、悩みがどんどん発展し、複雑に絡み合った結果、自分が何に悩んでいるのか分からないけれども、いつも思い悩んでいる…という状態に陥ることもあります。
しかし、カウンセリングでは、カウンセラーに質問されながら、悩みを1つ1つ言葉にし、ほぐしていくため、「自分はこんなことに悩んでいたのか」と整理できます。
新たな視点や解決策を得られる
私たちは、問題に対する解決方法をある程度身につけています。
例えば、問題が起こったときに「もっと努力する」という解決方法を持つ人は、「掃除が苦手」という悩みにも、「もっと努力しなきゃ」と頑張るでしょう。
しかし、どれだけ努力しても解決しないときにはお手上げ状態になってしまいます。
しかし、カウンセラーから「どうしてそんなに掃除しなきゃいけないんでしょうか」「掃除はあなたがやらなきゃいけないことなの?」など質問されていくうちに、
- 多少、散らかっていても気にしなくていい
- 掃除が得意な人に頼んでもいい
など、新たな視点での解決策が見つかることがあります。
主体的に生きていけるようになる
カウンセラーは、あなたの考えや感情を否定・批判することはありません。
そのため、カウンセリングで話をしていくうちに、「自分の考えや感情は間違っていないんだ」「ありのままの自分でいいんだ」と、自己肯定感や自信が育まれていきます。
その結果、自分で悩みを解決し、主体的に生きていく勇気を持つことができます。
カウンセラーに限らず、悩みを誰かに相談するメリットについては、人間関係の悩みを相談するメリットと相談先の選び方【良い・悪い】にもまとめていますので、あわせてご覧ください。
カウンセリングを受けるデメリットとは?
カウンセラーの資格はさまざま
実は、「カウンセラー」は誰でも自由に名乗れる肩書です。
つまり、「今日から私はカウンセラーです」と自称した時点で、カウンセラーとして活動できてしまうのです。
また、カウンセラーとしての資格を持っていたとしても、2~6か月程度のセミナーや通信教育の受講だけで誰でも取得できるようなものも多く、カウンセリングの知識や経験が十分ではないケースも少なくありません。
「じゃあ、どうやってカウンセラーを選べばいいの?」と悩む方には、「公認心理師」と「臨床心理士」の資格を持つカウンセラーがおすすめ。
公認心理師や臨床心理士になるには、
- 大学院を修了すること
- 資格試験に合格すること
の2ステップが必要となります。
大学院では、カウンセリングについての専門的な知識やスキルを深く学んでいきます。
また、大学院のカリキュラムには、教員の指導のもと、実際に悩みを抱えた方の相談を受ける実践的なトレーニングもあります。
そして、大学院修了後に資格試験を受けます。
直近の資格試験の合格率は、
- 公認心理師は46.4%(第2回公認心理師試験)
- 臨床心理士は62.7%(令和元年度臨床心理士資格試験)
となっており、どちらも簡単に合格できるものではありません。
このように知識も経験も兼ね備えていることが認められてはじめて、公認心理師や臨床心理士になれるのです。
信頼のおけるカウンセラーを探すなら、ぜひ公認心理師や臨床心理士資格を持つカウンセラーを探してみましょう。
なお、公認心理師は2022年までは移行期間とされており、この期間に限っては、大学院進学は資格取得の必須条件になっていません。
そのため、「しっかりとしたカリキュラムで学んできたカウンセラーに相談したい」と思う方は、公認心理師・臨床心理士両方の資格を持つ、ダブルライセンスのカウンセラーに相談すると良いでしょう。
経済的な負担が大きい
カウンセリングでは1回に数千円~1万円の料金がかかります。
また、1回で悩みが解決することはあまりなく、何度か継続して通う必要があります。
そのため、経済的負担が大きくなり、「続けられない」という人もいます。
「あまりお金はかけられない」という方は、次のような方法を検討してみてください。

心や身体に余裕がないと状態が悪化することも
カウンセリングでは、自分の考えや感情を整理し、言葉にする必要があります。
しかし、その作業が負担になり、状態が悪化してしまうことも。
例えば、うつ病の人は「ネガティブな思考が浮かびやすい」という症状があります。
そのため、カウンセリングで考えを深めれば深めるほど、気持ちが落ち込んでしまうこともあるのです。
精神疾患を抱えている方は、主治医に相談し、了承を得た上でカウンセリングを受けるようにしましょう。
はじめてカウンセリングを受けるならCounseling+
Counseling+では、公認心理師と臨床心理士のダブルライセンスを取得したカウンセラーによるオンラインカウンセリングを提供しています。
また、公認心理師や臨床心理士の資格を持つカウンセラーによるオンラインカウンセリングの多くは、1回の料金が50分5,000円~10,000円前後となっており、はじめてカウンセリングを受ける人には、ハードルが高く感じられることも。
しかし、Counseling+では50分3,000円とお手頃な料金でカウンセリングを受けることが可能です。
つまり、Counseling+は、
- 専門知識のないカウンセラーに当たる
- 経済的な負担が大きい
といったカウンセリングのデメリットを解消したサービスとなっているのです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、カウンセリングとは何かを解説すると共に、そのメリット・デメリットをご紹介しました。
カウンセリングとは「専門家であるカウンセラーと相談者が対話を重ねる中で、相談者が主体的に悩みを解決できるよう支援するプロセス」を指します。
カウンセリングのメリットとしては、
- 気持ちがすっきりする
- 話すことで考えを整理できる
- 新たな視点や解決策を得られる
- 主体的に生きていけるようになる
の4つが挙げられます。
また、カウンセリングのデメリットには、
- 専門知識のないカウンセラーに当たる可能性がある
- 経済的な負担が大きい
- 心や身体に余裕がないと状態が悪化することもある
といった点があります。